浜通り6市町...逃げ遅れなし 「高齢者・障害者」避難状況調査

 

 県は11月22日の地震を踏まえ、同29日から今月7日にかけ、浜通り6市町を対象に高齢者や障害者ら要支援者の避難状況などを聞き取り調査した。調査結果の取りまとめは今後の作業になるが、災害対策課は「高齢者施設では2階以上に避難する『垂直避難』などの対応が取られており、逃げ遅れなどの情報は確認されなかった」としている。

 地震と津波で避難指示が出されるなどした相馬、新地、南相馬、楢葉、広野、いわき6市町を対象に調査。同課は、調査で大きな課題が確認されなかった背景として、まだ東日本大震災の巨大津波で被災した地域が完全に復旧しておらず、沿岸地域に住んでいる要支援者の数が少なかったと推察する。

 同課は今後、調査結果を基に、避難状況の詳しい検証や必要な対策などを検討する。また、垂直避難した事例などを市町村や高齢者施設などに情報提供する。

 一方、津波にとどまらず、集中豪雨や土砂崩れ、噴火などあらゆる自然災害を想定した備えが求められており、鈴木秀明課長は全県的な課題として「日頃から地域住民で助け合う『共助』の仕組みづくりを考える必要がある」と強調する。