「空白の2次救急医療」対応担う 福島医大・総合支援センター

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双葉郡で活動する田勢副センター長(右)ら救急グループ

 震災と原発事故からの復興と住民帰還を進める双葉郡の地域医療を支えるため、福島医大の「ふたば救急総合医療支援センター」は、郡内で空白となった2次救急医療の確保と、通院できない人への在宅訪問を含む総合医療支援という二つの大きな役割を担う。

 県が来年4月、富岡町に「県立ふたば医療センター」を新設するまでの間、喫緊の課題となる2次救急医療に対応するため、福島医大は昨年5月末から、楢葉町の富岡消防署楢葉分署に救急グループを置いた。日替わりで救急医3人と看護師、救急救命士各1人が平日の昼間に駐在、患者の容体や現場の状況に応じて救急隊と一緒に出動している。

 双葉地方消防本部が昨年5~12月末、救急医に出動を要請したのは57件。平均で月10件出動した計算だ。帰還した住民や、除染と復興工事に当たる作業員の急病はもちろん、労災や交通事故による負傷も目立つ。

 郡内の患者が医師から初期治療を受けるまでの平均時間は、救急グループの配属後に約20分となり、前年より約55分も短縮された。

 現地で活動する救急医の田勢長一郎副センター長は「救急医が早期に患者の容体を判断することによって根本的な治療を受けるためにはどこの病院がいいか、適切な搬送先を探すことに結び付く」と成果を強調する。

 在宅訪問グループは本格的な活動に向け、地元町村と準備している。月2回をめどに登録した患者宅を訪ねる計画だ。富岡、浪江両町で帰還困難区域以外の避難指示解除が見込まれる今春を控え、田勢副センター長は「どれだけの人口が地域に戻るか分からない中で直ちにあらゆる医療ニーズを満たすのは現実的に難しい」とした上で、高齢者の増加を念頭に置き「急性期医療から保健衛生、介護、みとりまでに対応する地域包括ケアシステムを構築していく必要がある」と指摘する。

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