【ニュースを追う】飯舘の水田放牧実証試験 営農再開の試金石

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水田での試験的な放牧を開始した山田さん=飯舘村

 県内屈指のブランド牛として知られた「飯舘牛」の復活に向け、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が一部地域を除き解除された飯舘村で、2カ月にわたる水田放牧の実証試験が始まった。村の基幹産業だった畜産の将来を占う試験結果は、村民の営農再開の意欲を左右する試金石になりそうだ。

 実証試験が行われているのは、除染完了後に牧草を育てた同村松塚地区の水田約2ヘクタール。ただ、水田のあぜ道や斜面は、国による除染の対象外のため、(1)あぜ道の表土削り取り(2)あぜ道を防草シートで覆う―の2区画に分けて各3頭を放牧。牛の脱走を防ぐため電気柵も設置した。

 約2カ月の放牧期間中、1カ月に1度、牛の採食量のほか、土壌や牧草、牛の血液内での放射性物質の移行の有無などを調べる。

 村内での放牧は震災後初めて。村では震災前、肉牛の繁殖や肥育、酪農などを含め234軒の農家が約2800頭を飼育、本県を代表する肉牛の産地だった。それだけに関係者の「飯舘牛」復活への思いは強く、本年度は農家6軒が村内での和牛の繁殖と、肥育の再開に向けた準備を進めている。

 試験放牧に取り組む山田猛史さん(68)もその一人。山田さんは「村内での営農再開に不安があったり、自信がない人が『俺もできるかな』と思ってほしい」と語り、試験結果に希望を託す。