価格回復まで『あと一歩』...キュウリ、トマト取引は高値で推移

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 県や全農県本部によると、県産キュウリ、トマトの今年5、6月の取引価格は、全国平均に比べ110~120%の高値で推移している。一方、7月に出荷が始まったモモの取引価格は取りまとめ中だが、全国平均の80%ほどにとどまるとみられ、風評払拭(ふっしょく)への道のりは依然として厳しい状況にある。

 原発事故前の2010(平成22)年の県産モモの取引価格(1キロ当たり)は439円で、全国平均483円の90%。昨年は全国平均514円に対し、県産が77%の399円で、15年の全国比81%よりさらに落ち込んだ。

 キュウリの取引価格は原発事故前の水準と同等まで回復しているが、トマトの14~16年の取引価格は震災前の水準まであと一歩及ばなかった。

 キュウリ、トマトなど、市場での占有率が高い県産青果物は需要が多いため、比較的安定した価格で取引されている。しかし、原発事故の影響で本県産のブランド力は大きく低下した。県は「他県産の供給量が増えると、本県産が安値で取引される傾向にある」(農産物流通課)と分析する。

 保存性の高いコメや肉用牛も厳しい風評被害に直面している。昨年産米の60キロ(1俵)当たりの取引価格は、全国平均の1万4297円に対し、本県産は95%の1万3585円。原発事故前の10年産米は、全国平均とほぼ同じ価格で取引されていた。

 また、昨年の肉用牛の1キロ当たりの価格も本県産は2447円で、全国平均2689円の91%(原発事故前95%)にとどまっている。

 ネット販促にも力

 首都圏や関西などの量販店では原発事故以降、本県産の農林水産物の取扱量が減少した。県やJAグループ福島などは販路の回復や新規開拓に向け、店頭での販売促進活動に加え、人気グループ「TOKIO」を起用したCMなどで県産農林水産物の安全性や品質の高さをアピールしている。

 さらに県は本年度、全国の消費者に県産品を直接売り込もうと、楽天、ヤフー、アマゾンのオンラインストアで販売促進企画「ふくしまプライド。体感キャンペーン」を展開している。約5億6000万円の予算に対し、6月中旬のプレキャンペーン開始から延べ19日間(7月15日現在)で、売上額は2億円を突破した。旬を迎えた夏の青果物や、秋から出荷される単価の高い新米で一層の売り上げ増加が期待される。

 また、国が実施している流通実態調査の結果を基に、より効果的な風評対策を打ち出していく構えだ。