【起き上がり小法師】〔鏡石・岩瀬牧場〕笑顔呼ぶ『BBQ』復活

 
「広い芝生もあるので、小さな子どもと楽しんでほしい」と話す伊藤さん

 鏡石町の岩瀬牧場は9月、牧場内にバーベキューを楽しめる「BBQファミリーテント」を設置した。東日本大震災以前は、大勢の親子連れなどでバーベキューハウスがにぎわったが、震災以降は休止。今回、大規模テントを整備するなど利用者の利便性を高め、新たな一歩を踏み出した。

 牧場を運営するイワセファーム社長の伊藤喬さん(37)は「震災前のように、バーベキューもにぎわってほしい」と話す。牧場は震災の影響で給水施設に被害が生じたり、バーベキューハウスは使用できなくなったりした。加えて東京電力福島第1原発事故の影響で来場者は大幅に減少、県外からの教育旅行客らのにぎわいもなくなった。

 「牧場の伝統を守りたい」との思いが施設修復につながった。歴史資料館や噴水の改修、世界最古の量産型トラクターの修理などを進め、「屋外での食事を楽しんでほしい」とバーベキュー施設の修繕にも着手した。

 テントは最大約80人を収容でき、10人掛けのガスグリル付きテーブル八つを備える。メニューは牛肉・豚肉のセットとラム肉の2種類で、それぞれ野菜や焼きそばなどが付き、1人前2160円(税込み)。来年からはメニューも拡充する計画だ。

 「さまざまな改修のおかげで、震災前と変わらない活気が出てきた」と伊藤さん。今秋はハロウィーン関連イベントや大収穫祭なども予定されており「幅広い世代に楽しんでもらえるようにしたい」と意気込む。

 テント利用は事前予約が必要だが、空きがあれば当日も受け付ける。