【ニュースを追う】国道114号再開通3カ月 交通量増、防犯に課題も

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日没後、暗闇に包まれる川俣町山木屋の国道114号沿い。周囲を照らすのはとんやの郷の明かり以外にほとんどない

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が今春解除された川俣町山木屋地区と浪江町を結ぶ国道114号は9月20日の再開通から、まもなく3カ月を迎える。自由通行により交通量が増えたことに伴い、同地区のにぎわい創出に効果がみられる一方、沿線住民が再開通当初から懸念していた防犯対策には課題を残す。

 山木屋地区の同国道沿いに7月開業した復興拠点商業施設「とんやの郷」。食堂と小売店を併設し、特に小売店は同地区に帰還した住民の日常生活の基盤だ。

 川俣町によると、再開通前の7、8両月の小売店の来客者は4000人台で推移したが、再開通以降は5000人台に上昇したという。同町は再開通の効果を「(ゲートによる)閉塞(へいそく)感がなくなった。帰還者は伸び悩むが通行車両により活気が生まれつつある」としている。ただ、自由通行による往来の増加は、不特定多数の人の流入にもつながっている。山木屋地区の住民は、かねて防犯カメラや防犯灯の設置を求めていたが、いまだ設置には至っていない。

 同地区に戻り、食堂を営業する紺野希予司さん(65)は「何かが起きてからでは遅いのでは」と不安を口にする。帰還住民の安全・安心に向け、生活環境の整備が求められている。