東北中央道「相馬玉野-霊山」3月10日開通 復興道路61%整備

 

 東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から7年、浜通り地方を中心に大きな被害を受けた道路、鉄道など交通インフラの復旧、新たな整備が急ピッチで進む。整備事業の着実な進(しん)捗(ちょく)は地域の発展、振興に向けて大きな期待を膨らませる。一方で、震災を後世に伝えるべく震災遺構の保全に向けた機運も高まってきた。震災、原発事故の記録、教訓を刻み、風化防止へ果たす役割は大きい。

 国が復興支援道路として整備を進める東北中央道「相馬福島道路」(総延長約45キロ、無料区間)の相馬玉野―霊山インターチェンジ(IC)間(17キロ)が10日午後3時に開通する。昨年3月に開通した相馬山上―相馬玉野IC間(10.5キロ)と合わせ、全区間の61%に当たる27.5キロが通行可能となり、交通難所がほぼ解消される。

 相双北部と中通りを結ぶ国道115号の改良工事は、県が2004(平成16)年から一部区間で進めていたが、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後、幹線道路の重要性が高まり、11年11月に国が「復興支援道路」として事業化。被災地の早期復興を後押しするため、国が主体となって急ピッチで整備を進めている。

 相馬福島道路と並行する国道115号にある急カーブの数は105カ所。相馬山上―霊山IC間では、99カ所の急カーブを回避でき、最大9.4%の勾配は4%に改善される。相馬市役所から福島市の福島医大までの所要時間は約1時間となり、同国道を利用した従来の経路に比べて約20分短縮される。救急医療施設への搬送時間の短縮などが見込まれる。相馬福島道路の早期整備により、浜通りと中通りの物流網の強化や新産業の創出が期待できる。

 相馬福島道路は区間ごとに順次開通する。常磐道と接続する相馬―相馬山上IC間(6キロ)の「相馬西道路」は19年度の開通が目標。霊山IC―東北道・福島北ジャンクション(仮称)間(12.2キロ)の一部について、国は「20年度中の開通を目指す」としている。