避難町村「教育環境」少しずつ 富岡町、葛尾村、浪江町、飯舘村

 

 【富岡町】授業を再開した小、中学校では2学期になり、児童、生徒が避難先から戻るなどして3人増え、全校生が20人となった。
 町教委の担当者は「子どもと一緒に帰還を選択する住民が増え始めてきた」と分析する。ただ、町外に生活基盤ができてしまった町民も多く、急激な増加は見込めないとした上で「著名人を招いた授業など、特色ある教育を発信する」と児童、生徒数の確保に注力する考えだ。

 【葛尾村】再開した小学校に7人、中学校に11人が通学しており、来春の入学予定者は小、中学校とも1人ずつ。村教委の担当者は「避難先で就学したり、保護者が生活再建したりするなど、震災、原発事故からの時間の経過とともに、子どもたちが避難先から故郷に戻って学ぶということが難しさを増している」とする。
 町教委は教育にかかる補助を手厚くしたり、近隣自治体と連携したりする方針で「子どもたちが学ぶ環境を整備する」と強調した。

 【浪江町】なみえ創成小学校に8人、なみえ創成中学校には2人が通学する。
 町教委の担当者は「就学意向調査や相談などは受けているが、来春の入学予定者数の見通しは示していない」と説明。「町内に学校を開校することで就学の機会を創出できた。震災、原発事故による全町避難で町内ではゼロだった児童、生徒が10人まで増えた」としている。

 【飯舘村】草野、飯樋、臼石の合同小学校には計33人の児童が在籍する。来年度の入学生の見通しはまだ立っていないが、村教委は少人数と見込む。仮設住宅、借り上げ住宅の無償提供の期限を帰還困難区域を除いて本年度末とする県の決定を受け、村教委は転居が発生すると判断。今月中にも来年度の通学について意向調査する方針だ。
 村教委の担当者は「(児童数が)減っていくのは間違いないだろうが、村が進める移住・定住・交流の施策と関連させて児童数の確保に努めたい」とした。