議論先行の岩手、宮城...割れた賛否 福島県では「住民発」の動き

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 震災遺構の議論が本県より先行した岩手、宮城両県では、保存の議論が住民訴訟に発展したケースもある。

 岩手県大槌町の旧役場庁舎は、当時の町長と職員計28人が犠牲となった。町民の間では「津波を思い出すので見るのがつらい」と解体を求める声、「震災を伝えるために残すべきだ」と保存を望む意見が交錯した。解体を公約に2015(平成27)年の選挙で当選した平野公三町長に対し、保存を訴える住民が訴訟で工事差し止めを求めたが今年1月に敗訴、町は直ちに解体に着手した。町は6月をめどに緑地として整備、災害時などは車を乗り捨てる場所としても活用する。

 一方、同県陸前高田市では国や県と協力しながら「高田松原津波復興祈念公園」の整備を進めており、有名な「奇跡の一本松」など敷地内に残る遺構を保存している。住民感情に配慮し、犠牲者が出なかった建物を選定。住民から異論はなかったという。

 本県では震災後、いわき市平薄磯の豊間中校舎を震災遺構として保存する議論が行われた。同地区は津波で100人以上が犠牲になり、住民から「震災の時の気持ちを思い出す」など反対の声が上がった。賛否は割れ、最終的に校舎解体を決定。市は同地区に震災の記憶を伝えるメモリアル施設の建設を進めている。

 また県内では、住民らの手による遺構保存の取り組みも行われてきた。同市久之浜町地区では、被災した秋葉神社(稲荷神社)を住民らが修繕、震災や震災以前の街の記憶を残すシンボルとなっている。高木健区長(77)は「街並みは変わったが、神社が元の場所にあることで、自分たちがかつて住んでいた位置が分かる」と話す。

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