特撮美術監督・三池敏夫さんインタビュー 特撮は「うそ」が鍵

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 
「特撮映画はいかにうまく”うそ”をつくかが大事」と話す三池さん

 三春町の福島さくら遊学舎で開かれている展覧会「特撮のDNA」が好評だ。「ゴジラVSキングギドラ」や「シン・ゴジラ」など数々のゴジラ作品を手掛けた特撮美術監督の三池敏夫さん(55)に、展覧会の感想や特撮の魅力を聞いた。

 ―「特撮のDNA」を見て。
 「撮影で使った怪獣や特撮資料、ミニチュアは撮影が終われば処分していた。これだけのものが残っているのがすごい。(モスラに登場する)小美人の人形などびっくりするものがいっぱいあった。特撮ファンとしての視点、制作者としての視点両方で楽しめた」

 ―ゴジラシリーズに長年携わってきた。特撮美術の苦労は。
 「今はCG(コンピューターグラフィックス)でずいぶん変わったが、僕らがこの世界に入った時は怪獣をはじめ町、山、海、空など被写体全てが美術の仕事だった。全部を一から作るのは大変だったが、それがやりがいだった。数秒のカットのために1日がかりで準備するなど、見ている人が想像できないくらいワンカットに時間がかかっている」

 ―特に印象に残っている美術セットは。
 「1984年版ゴジラの新宿副都心のセット。東宝のゴジラ映画で初めて高層ビルを作った。4メートルぐらいの高さがあり、本物を忠実に再現したミニチュアセットは衝撃的だった」

 ―特撮映画の魅力とは。
 「現実ではないことを、うまくお客さんに見せて喜んでもらうのが特撮映画。いかにちゃんと"うそ"をつくかが大事で、適当にやるとお客さんには伝わらない。54年の最初のゴジラは大人向けの怪獣映画として製作され、歴史がスタートしている。今回の『シン・ゴジラ』はその原点に立ち返り大人が見て楽しめる映画を真面目に作っている。怪獣映画、SF映画は、"うそ"なんだけどちゃんと作って面白さを伝えることが大事だし、それが魅力だ」

 みいけ・としお 1961年生まれ。熊本県出身。84年に特撮研究所入所。フリーを経て、2007年に同研究所に復帰。「ゴジラVSキングギドラ」「ゴジラVSモスラ」、最新作の「シン・ゴジラ」などのゴジラシリーズ、平成ガメラシリーズなど多数の作品を手掛ける。

民友セレクション