minyu-net

 
ホーム 県内ニュース スポーツ 連載 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 購読申込  
 
NIE TOP
NIE 教育に新聞を
     

人の意見大事だね 男女共同参画、5年生が学ぶ

人の意見大事だね 男女共同参画、5年生が学ぶ

一人一人の意見を尊重する大切さについて考えた道徳の公開授業=蓬田小

 県教委の「みんなで築こう男女共同参画社会」事業の本年度1回目の公開授業研究会が、平田村の蓬田小(真田秀男校長)で行われた。本年度は12月までに県北、県中、会津、いわきの4地区の小、中学、高校計8校で実施される。「まかせてみようよ」をテーマにした道徳の公開授業には、5年2組の児童19人が参加。男女共同参画の土台となる、一人一人の意見を尊重することの難しさと大切さについて考えた。
 公開授業では、まず担任の田中知教諭が「宿泊学習で、グループ内の意見が分かれた」という物語を資料として提示。リーダーである主人公と、地図係の石井さん、他のメンバーがオリエンテーリングで分かれ道にさしかかると、石井さんだけがみんなとは別の道を行こうと言う。田中教諭が「このとき、メンバーは石井さんをどう思っていた?」と質問すると、子どもたちからは「自分勝手」「遠いのになぜそんなことを言うのか分からない」などと答えた。
 物語ではその後、石井さんが地図の見方を勉強していたのを知っていた主人公が、石井さんに理由を聞く。ここで田中教諭は「主人公が石井さんに理由を聞いたのはどんな思いから?」と質問。子どもたちからは「無視したらかわいそう」「石井さんの意見も大切にしたい」という声が出た。
 そして物語は、石井さんにコースをまかせたグループが、見事一番でゴールし幕を閉じる。この時のメンバーの気持ちについて、子どもたちは「人の意見を受け入れることが大切」「石井さんを信じて良かった」。
 最後に、田中教諭が「人の意見を大切にできたこと、できなかったことはありますか」と尋ねると、6月の宿泊学習を振り返った児童は「グループ活動の時に、自分の意見ばかりを通してしまった」「自分の考えが正しいと思いこんで、他のメンバーの意見をなかなか聞けない」と反省。学校行事での話し合いを振り返った児童は「やりたいという人が大半でも、やりたくないという少数の意見も聞くようにした」などと話した。

 授業の工夫呼び掛け 
 公開授業を見学した教育関係者らによる研究会では、田中教諭による自評や質疑応答が行われた。助言した県中教育事務所指導主事の本田一意さんは「ジェンダー(性差)は社会によってつくられるもの。そこにある意図を考えてほしい」と話し「男女がそれぞれ何をやるのかではなく、互いに持っている力を発揮し合える環境づくりが大切」と、授業や教室整備への工夫を呼び掛けた。
(2014年10月7日 福島民友NIEニュース)
 
 
 


福島民友新聞社
〒960-8648 福島県福島市柳町4の29
個人情報の取り扱いについてリンクの設定について著作権について

国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN