命を守る「温かい心」 新聞で人とつながる/NIE全国大会

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 パネルディスカッションでは、4人のパネリストがNIE活動をより身近にするための方策について議論した。はじめに、市川文夫信濃教育会NIE研究調査委員長が、長野県内の教員の約80%が新聞を学習資料としたことがあるが、このうちNIEを知っていると答えたのは約55%だったことなどを報告。新聞の素材としての価値を分かっていても、NIEへの理解が足りないと指摘。その上で、教員の意識や活動だけでなく、新聞側の活動と重なる部分にこそNIEが成り立つと基調提案した。

 討議では、東京都武蔵村山市の持田浩志教育長が開設準備中の市立の小中一貫校に情報読解力育成のため、NIEを各教科に取り入れるカリキュラムを作成したことを紹介した。

 NIE実践者の長野市立吉田小・広川芳守教諭は、自身の経験を踏まえ、新聞を教材化する難しさから、多忙な教育現場では時間のかからない副読本に頼りがちであるという現状を指摘した。

 札幌市立宮の森中の古畑理絵教諭は、「最新の正確な情報を生徒に提供でき、社会と自分とのかかわりを感じさせることができるのではないか」と新聞活用の魅力を話した。

 会場からは、「新聞のある生活がNIE。『教材』という言葉に固執しすぎではないか」との厳しい意見もあった。新聞の持つメリットを再認識し、「教材」として押しつけるのではなく、教科の狙いに合わせて、子どもたちと社会を結びつけ、自発的で、本来は楽しいはずの「学び」を動機付けるようなNIEの在り方が必要とされているのではないだろうか。(文化部・柳沼直美)