新聞や本で学力向上を 小野町、強化月間で「図書館フェス」
小野町は27日、昨年12月に制定した「図書・新聞に親しむ条例」にちなんだ町民参加のイベント「おのまち図書館フェスティバル」を初めて開き、本や新聞に関する展示や催しを繰り広げた。文章に親しむ環境づくりと子どもたちの学力向上へつなげようと、町が本格的に動きだした。
フェスティバルは条例で定めた11月の強化月間に合わせて開催。会場の町ふるさと文化の館内の図書館では、条例制定を受け、これまで4紙置いていた新聞を8紙に増やした。子ども新聞なども配置し、同館職員は「新聞に興味を持つ子どもは増えてきている」と成果を実感する。図書館利用者も増加傾向にあるという。
この日は、町民が参加して学べるイベントとして、福島民友新聞社が新聞コーナーを設置したほか、小野高放送部も同フェスティバルに協力し紙芝居の読み聞かせを行った。
選挙制度を学ぶ
本紙コーナーでは、「新聞ふれあい講座まなぶん事務局」の渡辺順事務局長が、「新聞を読んで主権者教育について学ぼう」をテーマに講座を開講。中学生以上を対象に「選挙クイズ」として、クイズを通して選挙制度を紹介した。参加した小野高1年の生徒(16)は「難しかったけど勉強になった。もっと他の国の選挙制度も知りたくなった」と話した。
障害者用駐車場に置かれた三角コーンを題材にした小学生向けの講座では、設置されている意味などを考えながら「やさしい街づくり」に理解を深めた。小学2年生の児童(8)は「今までは障害者用マークを意識したことはなかったけど、困っている人のためにこれからは意識したい」と感想を話した。新聞の製作工程の紹介や新聞回収袋を使ったエコバッグ作りも行った。
高校生が紙芝居
小野高放送部は、生徒4人が地元に伝わる昔話を基に製作された紙芝居を上演した。部長の生徒(17)は「本を読むことで想像力がつき、漢字や表現方法も学べる」と本に親しむ意義を強調。「条例ができて学校の図書館も徐々に充実してきたように感じる。新聞ももっと読んでいきたい」と述べた。
ほかに、県立図書館職員が絵本の選び方や読み聞かせ方について講演した。会場を訪れた同町の男性(61)は「条例による変化はまだ感じないが、今回のように町民が参加しやすい仕掛けを行っていけば広がっていくと思う」と期待した。大和田昭町長は「学校などでも新聞を活用して子どもたちに社会のことや知識を学んでほしい。図書や新聞を学力向上につなげていきたい」と話した。
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