作品制作過程に重点
静寂が包む放課後の美術室。キャンバスに向かって熱心に筆を走らせるのは安達高美術部の生徒。「実物の構図をよく見て、基礎をしっかり学ぶ」を年間テーマに据え、油彩や水彩、彫刻などを自由に制作する。
同部には2、3年生計8人が所属。毎日放課後、各種展覧会や年度末に開く同部の展覧会「まゆみ展」への出品に向け創作活動に取り組む。同部の自慢は互いの作品を批評したり、アドバイスを交わす和やかな雰囲気。部員同士で共同制作も行い、表現能力の向上を目指す。「作品の出来ではなく、制作する行為や過程に重点を置いています」と二瓶はづき部長(3年)。
今月2、3の両日に開かれた公開文化祭「まゆみ祭」に向け、ポスターを制作したほか、モニュメントとなる校門アーチ制作に力を注いだ。モニュメントは、同祭テーマの「愛が生み出す安達の絆(きずな)」を基に、高さ10メートルほどの噴火する山に決定し、同部員主導で生徒会や実行委員の生徒と協力し、完成に向けて取り組んだ。
同部顧問の野地庄一教諭は「無から作品をつくり上げる美術制作には、自分の視点や立ち位置を決める難しさがある。生徒には過不足なく基礎を学ばせ、社会に出てからも美術活動を継続できるよう指導していきたい」と話す。
和やかな中 自由に創作
部長の二瓶はづきさん 和やかな雰囲気の中、自由に創作活動に励んでいる。絵を描くことは自分と向き合う有効な手段。基礎から学べるため、興味がある生徒は、ぜひ美術室へ足を運んでほしい。
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