flumpool、結成からのブレない"核"とライブバンドとしての進化

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ORICON STYLEのインタビューに応じたflumpool

 4人組ロックバンド・flumpoolが、2日にニューシングル「FREE YOUR MIND」を発売した。デジタルサウンドとロックサウンドが融合したダンスナンバーとなっており、「全てを超えて人と世界が繋がっていく」ということをテーマに、解放力のあるメッセージが込められた壮大な楽曲となっている。12月31日には地元・大阪(大阪城ホール)にて凱旋カウントライブも決定している彼らに、新曲の話から今のバンドの"核"まで、様々な話を聞いた。

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■4年連続で台湾ライブを実施 日本と台湾のファンの違いは?

――新曲「FREE YOUR MIND」は、デジタルなダンスミュージックの色合いが強い楽曲となりましたね。どのようなイメージで曲を作っていったのでしょうか。
【阪井一生(Gt)】 今年3月にアルバム『EGG』を完成させて、そこでもEDMの要素にチャレンジしたんですが、新曲もその延長線上にあるというか、やっぱり攻めの姿勢で、自分たちの音楽をすべて詰め込もうという意識で作りました。僕ら自身、できることがいっぱい増えてきましたから、ここで今まで通りのflumpoolをやるのではなく、自分たちができる音楽を突き詰めていった結果、こういった曲が生まれたという感じでしたね。
【小倉誠司(Dr)】 こういったEDM的な曲って、今までだったら、打ち込みだけで終わっていた部分もあったし、それで成立する場合も多いと思うんです。でも、逆にそこで、flumpoolというバンドとして、サウンドを追求していけたということが、僕らにとって、ひとつの大きなチャレンジだったと思っています。実際のレコーディングでは、少しだけ打ち込み的な音も足していますが、ほぼすべて生演奏で録音していきました。

――4年連続で台湾公演を行うなど、海外での活動も意欲的に展開していますが、現地のファンの熱狂ぶりをどのように感じていますか?
【山村隆太(Vo)】 やっぱり海外の文化というか、ライブの楽しみ方も日本とは全然違うし、逆に、それを経験したことで、日本人らしさも感じるようになりました。やっぱり日本人って、すごくシャイだし、島国だから、思いやりを持っていたり、周囲を大切にしようと気を遣う反面、気を遣いすぎて、ライブでも積極的になれないというところはあるでしょうね。その点、海外では圧倒的に"打てば響く"という感覚があります。ライブの1曲目から、いいものはいいと反応してくれるし、ダメだったらダメだって言う。そういう意味では、ライブをやっていて楽しいですよね。ただ僕は、暴れるためだけにライブに来るのではなく、お客さんには音楽を聴きに来て欲しいと思っているので、そういった部分は、日本のファンはありがたいなと感じることが多いです。もちろん、どちらが善い悪いではなく、確実に違いは感じます。

――そうしたライブ経験やデビューしてからの活動を通して、曲作りやパフォーマンスの面で、何か意識が変わった点はありますか。
【阪井一生】 変わったというよりも、こだわりが増えてきたかもしれません。コンピューターを使って、自分でも録音するようになったり、デモを作れるプライベートな環境を持ったことで、こだわりたい部分が増えてきました。もっと根本的に言えば、音の"聴き方"が変わりました。昔は、やっぱりギターに耳がいっていたし、メロディを中心に聴いてましたけど、今は曲全体に耳を向けられるようになった分、細かいところにも意識が向いて、こだわりたいと思うポイントは、どんどん増えていると思います。
【尼川元気(Ba)】 ライブに関して言えば、最初は「ちゃんと弾きたい」という気持ちから始まって。でも、「すごいパフォーマンスをしたら、そんなこと全部覆せる」と思うようになって、今はそこから「やっぱり、ちゃんと弾かないとテンションは上がらない」と考えるようになりました。

■"城天"でライブをしていた頃から約10年 大阪城ホール公演への思い

――意識が1周した感じ?
【尼川元気】 そうですね。デビューしてすぐの頃は、ワーッと勢いのあるパフォーマンスをすることで、お客さんが盛り上がってくれたし。その方が、見た目も派手ですしね。でも、そこからさらに上を目指そうとすると、「もっとちゃんと演奏したい」と、より強く思うようになりました。結局、すべてをキッチリとやっていかないと、出したい音も出せないし、お客さんも満足させられない。だから、意識が変わったというより、意識の幅が広がったという感覚ですね。
【小倉誠司】 僕も同じです。最初は、きちんと演奏したいという気持ちが強くて。それこそ僕は、完璧にフレーズを譜面に起こしますから。1曲ごとに、ひとつのフィルに至るまで、すべて音源通りに演奏しないと気が済まないタイプだったんです。でも次第に、ファンやメンバーは、そういった細かい部分を聴きたいわけじゃなくて、もっと自由に、音楽的にflumpoolの曲を楽しみたいんだと思うようになって。だから、音源通りの演奏でなくても、それでファンが喜んでくれればそれでいいし、逆に言えば、それだけのものを表現できるよう、自分を奮い立たせる必要もありますが、そういった部分も含めて、発想が自由になりましたね。
【山村隆太】 僕自身、歌詞を書く際の言葉の選び方とか、歌の伝え方という点では、flumpoolを結成した時から、特に変化はないと思っています。ただ、ライブに関しては、みんなの意識と同じですね。

――flumpoolとしての音楽的な"核"は変わらずに、こだわりどころが増えていったというわけですね。
【山村隆太】 はい。そういう変化ですね。

――12月31日に大阪城ホールで開催される単独カウントダウンライブは、特別なライブになると思います。最後に、このカウントダウンライブへの意気込みを聞かせてください。
【山村隆太】 シングルの2曲目に入っている「ムーンライト・トリップ」は、カウントダウンライブのテーマソングとして、このライブにかける想いを書きました。ライブのタイトルにも入れていますが、大阪城ホールの前にある"城天(シロテン)"という通りでずっとライブをやっていたインディーズ時代から、来年で10年になるんです。その場所で、悔しい想いもしたし、挫折も味わったし、でもその分、夢も見たし。それから10年経って、「今でもそうだな」って感じるんですよ。悔しい想いもするし、挫折も味わうし、夢も見ている。だからこそ、同じ場所――今回は大阪城ホールですけど――で、同じメンバーで、同じ音楽をもう1回やることで、10年前と今との違いは何なんだろうということを感じたい。その"違い"に欠かせない存在が、お客さんであって、じゃあそのお客さんに対して、自分はどういったことを伝えるのかということは、その場で歌うことで、初めて分かることが多いと思います。だから、それを確かめたくて。

――そういった想いを込めて《「FOR ROOTS」~シロテン・フィールズ・フォーエバー~》と名付けたわけですね。
【山村隆太】 それに大晦日って、やり残したことをたくさん抱えたまま、次に向かおうとする日でもあると思うんですよ。年の初めに、「今年はこれをやりたい」「あれに挑戦しよう」って、みんな目標を立てるじゃないですか。でも、達成できなかったこともたくさんあるはずで、毎年、みんながそうした想いを持ちながら、次に進もうとする時に、同じように変化できた自分と、変化できなかった自分の両方がステージに立って、音楽とともに未来を考えることに、すごく意味があると思います。お客さんにとっても、カウントダウンライブって過去と未来の大事な分岐点だと思うし、僕らにとっては、それを大阪城ホールでやれるということに、とても意味を感じています。想い出を語ることは簡単だし、夢を語ることも、すごく簡単。でも、今、自分たちが何を手にしていて、何を感じていているのかを考えることって、すごく難しくて、でも大事なこと。カウントダウンライブを、そういう瞬間にできたらいいなと思っています

(文/布施雄一郎)