『べっぴんさん』で"栄輔"演じる松下優也「チャンスだとは意識しないようにしています」

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『べっぴんさん』の“栄輔”役でも注目を集める松下優也(写真・尾鷲陽介)

 現在放送中のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロイン・坂東すみれ(芳根京子)を支える岩佐栄輔役を演じている松下優也。俳優として活動する一方で、YUYAとして関西発のボーカル&ダンスグループ、X4(エックスフォー)も率いている。アーティストとして、俳優として、注目が集まる松下だが、歌手デビューは2008年と意外にも芸能界におけるキャリアは長く、まさに朝ドラ出演はチャンスとも言える。しかし、当の本人は「そういう欲は持たないようにしています」といたって謙虚だ。

【別カット】松下優也、スタイルの良さが際立つ全身写真

■作品の中で何を求められているかということに集中したい

――12月14日に発売されるX4の「キズナ」は、"仲間"への思いを歌う歌詞が自分たちとリンクするのでは?
【松下優也】 今のX4にすごく合っていますよね。これってグループだからこそ歌える曲だと思うんですよ。恋とか愛ではなく、人と人の絆がテーマの曲ですからね。やっぱり曲の世界をより深く表現できるのは、ソロよりグループだと思います。

――踊らずに歌を聴かせるバラードを、シングルとして発売するのは新たな試みですよね。
【松下優也】 これまでいろんな曲に挑戦してきて、"これがX4です"と言えることがいっぱいできたと思うんです。歌って踊ることもできるし、歌だけで聴かせることもできる。そのなかで、今までのシングルはどちらかというとダンスを見せるものが多かったので、今回は"こういうのもX4なんですよ"っていうのを見せたくて、この曲を選びました。それに、曲のテーマが今出演している朝ドラ(NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』)にも重なるような気がしたので、タイムリーだなと思って。

――『べっぴんさん』の栄輔役、すごく話題ですよね。この大役にオファーされたときはいかがでしたか。
【松下優也】 驚きと嬉しさと...あとは、どこで僕を知ったんだろうという、「?」がけっこうな割合を占めていました。聞いたところによると、ミュージカル『花より男子』で道明寺司役(メインキャラクターの一人)を演じていたのを見てくださったみたいで。まさか道明寺が朝ドラにつながるなんて思っていなかったです。

――どこにチャンスがあるかわからないですね。
【松下優也】 でも、チャンスが欲しいと思っているわけじゃないんです。役者はそういう欲を持っちゃいけない気がして。常にその役として自分が生きていなければならないし、うわべだけの芝居は見抜かれる。そんななかで、誰かが見ていてくれるかもしれない、なんていう考えは"邪念"になってしまうと思うんです。確かにチャンスだとは思います。でも、意識するとプレッシャーで思うようなお芝居ができなくなってしまうので、なるべく抑えるようにしています。今はとにかく、この作品の中で何を求められているのかということに集中したいです。

■街で見かけたら「栄輔さん」って呼んでいただけたら嬉しいです

――では、『べっぴんさん』では何を求められていると思いますか?
【松下優也】 "イケメン枠"ということを言っていただいたんですけど、それもプレッシャーで...(笑)。自分の中では、栄輔が出てきたら空気がちょっと明るくなるようなポジションだと思っているので、そこは意識していますね。戦後の話なので、全体的なトーンはあまり明るくないんですが、その空気に自分は飲まれないようにしています。

――栄輔はヒロインのすみれ(芳根京子)に恋していますが、態度に出すぎていて可愛らしさも感じてしまいますね。
【松下優也】 「すみれ、これで気づかんの?」というくらいわかりやすく演じるようにしています。昔の人は今よりピュアだから、ああなるのかなと思って。男らしくて優しいけど、恋に慣れてないから思いを隠しきれないんですよね。

――本作で松下さんのファンになる視聴者はたくさんいると思いますが、役者業と音楽活動の両方をやることについてはどんなお考えですか?
【松下優也】 音楽とお芝居の架け橋のような存在になりたいと思っています。僕がやっているような音楽を好きな人って、まだまだ一部だと思うんですよね。だから、役者としての活動で僕を知ってくれた人が、「こういう音楽もあるんだ」って気づいてくれたらいいなと思って。逆に音楽活動で僕を知ってくれた人が、舞台や映像作品を見てくれたら嬉しいですし。実際にそうやってファンになってくれた方の声を聞くと、今までいろいろやってきてよかったなと思います。

――朝ドラに出たことで、今まで以上に反響がありそうですね。街で「栄輔さん」って呼ばれたりしませんか?
【松下優也】 まだそれはないんですけど(笑)、役名で呼ばれたら嬉しいです。役者をやっていて一番楽しいのって、自分がその役そのものだと思われることなので。子供ってヒーローショーの主役を本物だと思うじゃないですか。そういうふうに思っていただけたら最高にうれしいです。

(文/加藤恵)