実は好相性? 演歌と子ども向け番組

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写真は『デュエマ』OPだったはやぶさ「エボレボ!」アニメイラストジャケット TM and c2016, Wizards of the Coast, Shogakukan, Mitsui/Kids, ShoPro, TV TOKYO

 テレビ東京系の子ども向け番組『おはスタ』の新OPテーマとして、11月7日より氷川きよしの「きよしのチキチキOHAソング」が起用され話題を集めている。演歌と言えば高年層がメインターゲットなだけに、演歌歌手×子ども向け番組というと少し意外な気もするが、過去には北島三郎がNHK Eテレアニメ『おじゃる丸』のOPテーマを歌っていたり、"ラスボス"として若い層から注目を集める小林幸子は今年4月よりNHK BSプレミアムの子ども向け番組『ワラッチャオ!』で"歌のお姉さん"に起用されたりと、実はこの組み合わせは定番にもなっている。なぜ演歌歌手×子ども向け番組は好相性なのだろうか?

【写真】『おはスタ』レギュラー陣と記念撮影する氷川きよし

■小さな子どももわかりやすい 演歌歌手ならではの歌い方

 かつての流行歌からひとつのジャンルとして独立した演歌。昨今は若手歌手の活躍も目立っているが、数年に一度、『NHK紅白歌合戦』などをきっかけに大きなヒットが出るくらいで、多くの人にとっては"主に中高年層が聞く音楽"というイメージが強いことだろう。また、題材的にも男女の恋物語や夫婦愛、失恋、未練などをテーマにしたものが圧倒的に多く、近年では今年7月期のドラマ『神の舌を持つ男』(TBS系)の坂本冬美のような事例があるものの、子ども向け番組に限らず、ドラマや映画、CMといったいわゆるタイアップではそこまで使われていない印象がある。

 しかし、"演歌歌手"自体にフォーカスすると、昔から子ども向け番組やアニメの主題歌を数多く歌ってきた。アニメでいえば前述の北島三郎の『おじゃる丸』OPテーマ「詠人」のほか、天童よしみや細川たかし、吉幾三、八代亜紀といった歌手がテーマ曲を歌ってきたし、小林幸子は"歌のお姉さん"に起用される前から映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』のEDテーマ「風といっしょに」や映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル』の主題歌「さよならありがとう」といったアニメの楽曲を歌っている。

「もちろん、小さいお子さんに演歌を理解してと言っても難しい話だとは思いますが、演歌歌手はその歌唱法の特性もあって、結果的に小さな子どもにも日本語の発音がわかりやすく、耳にしっかりと言葉が入ってくるので、童謡やアニソンと相性が良いんです。最近はカラオケ番組で演歌歌手が高得点をたたき出していたり、アニソンの名曲をカバーしたりして賞賛されることも多いですが、他のジャンルの曲を歌うと、その歌唱力の高さに驚かされます」(エンタメサイト編集者)

■演歌歌手×子ども向け番組、今後も増加の可能性?

 実際、7日からオンエアされている「きよしのチキチキOHAソング」(氷川きよし withコケッコ組名義)の評判を聞くと、驚きこそすれど朝にぴったりな軽快なリズムと振り付けは概ね好評を得ている模様。一時期は音楽番組が減少する中で、大御所を除いて演歌歌手が地上派のTV番組に出演する機会も減っていたが、ここ最近はバラエティ番組などでも見かけるようになっているほか、若手も台頭してきており、今後、演歌歌手×子ども向け番組の組み合わせは増加していく可能性がある。

「最近では20代・30代の客も少しずつ増えてきてはいるものの、演歌ファンが高齢化していると言われる中で、若いファンの獲得は命題です。そこで、うまくいけば親を巻き込んで人気拡大が期待できる子ども向け番組はいいのではないかと思います。氷川さんの後輩グループ・はやぶさはTVアニメ『デュエル・マスターズVSRF』(テレビ東京系)のOPテーマを歌ったことで、イベントに親子連れが増えたと聞きますし、これから続々と事例が増えていくかもしれませんね」(前出・編集者)

 ここ数年、演歌自体はそれほど売上的には落ち込みを見せてはいないが、例えば大泉逸郎の「孫」のような、誰もが知るような大ヒットもでていない。ヒットの種は、意外とこういうところにあるのかもしれない。