RADIO FISHだけじゃない 歌手として紅白出場したタレントたち

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『第67回NHK紅白歌合戦』に初出場が決まったRADIO FISH (C)ORICON NewS inc.

 先日、『第67回紅白歌合戦』(NHK総合)の出場歌手が発表された。常連大物歌手の落選などがセンセーショナルに取り上げられる一方、毎年話題になるのが、芸人、タレント、俳優といった本業"以外"の出場者。今年は「PERFECT HUMAN」で日本を席巻した、お笑いコンビ・オリエンタルラジオが中心のRADIO FISHが初出場。また、俳優ながらもauのCMで歌声を披露して話題になった桐谷健太も選出されるなど、その年の世相や流行を代表する出場者が注目を浴びるのも、もはや年末恒例だ。そんな『紅白歌合戦』の"意外な出場者"たちを振り返ってみたい。

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◆とんねるず出場以降、確立された"芸人枠"

 RADIO FISHは、オリエンタルラジオの中田敦彦と藤森慎吾、中田の実弟・FISHBOY、 Show‐hey、SHiN、つとむからなる6人組のダンス&ボーカルユニット。今回の初出場の報を聞き、藤森は「歌を歌うことで子どもたちにマネしてもらったり、今までにない世代の方にも応援していただいたり、充実した1年になりました。締めくくりで紅白に出させていただけるなんて、うれしく思っています」、中田も「僕は真ん中で首を傾げているだけ。それで夢がかなうなんて、人生ってすごいなって単純に思っています」とコメント。しかもRADIO FISHは、当日のNHKホールのステージで一緒に踊るダンサーを一般から募集、メンバーが審査するという。RADIO FISHの初出場についてネットでも、「楽しみやな!! 歌って踊って騒ごう!」「キレッキレのパフォーマンスととびきりのシュールさに期待!」など、応援するコメントが多く寄せられているようだ。

 「これまでもアーティストだけではなく、多くのタレントや芸人さんたちが出演して『紅白』を盛り上げてきましたが、私は1991年のとんねるずさんの初出場が始まりだと思いますね。すでに『一気!』(1984年)や『雨の西麻布』(1985年)といったヒット曲もあり、1989年には、お笑いコンビで初めて東京ドームでコンサートを開催するなど、本人たちも常日頃から"紅白出場が目標"を公言していました。でも、"民放の人気タレント"のイメージが強すぎたのかどうか、ずっと紅白出場は見送られてきたんです。でも、『情けねえ』のロングランヒットで、とうとうNHKさんも初出場をオファー。すると、パンツ一丁で木梨(憲武)さんは赤、石橋(貴明)さんは白で全身を塗り、背中には"受信料を払おう"の文字が...。さすがにNHKさんに抗議の電話が殺到したものの、高視聴率を記録したんです」(エンタメ誌編集者)

◆えなりかずきや宮沢りえら俳優・タレントも出場 他局番組での企画枠も恒例化に

 以降、とんねるずは1996年に憲三郎&ジョージ山本(木梨憲武と山本譲二)、1999年と2000年に野猿として紅白に出場することになる。とんねるずの紅白初出場から確立されたかに見える"芸人枠"だが、ざっと出場者を追っていくと、小室哲哉とのユニットH Jungle with tで出場したダウンタウン・浜田雅功(1995年)、ウッチャンナンチャンの内村光良、千秋、キャイ~ンのウド鈴木の3人組からなるポケットビスケッツと、南原清隆、ビビアン・スー、キャイ~ンの天野ひろゆきの3人組からなるブラックビスケッツで構成された、ポケットビスケッツ&ブラックビスケッツスペシャルバンド(1998年)、「ナンダカンダ」を歌った藤井隆(2000年)、坂本九の「明日があるさ」のカバーで、吉本興業所属のお笑いタレント11人で結成された音楽ユニット・Re:Japan(ウルフルズとのコラボレーション/2001年)、はなわとテツandトモ(2003年)、バラエティ番組『ワンナイR&R』(フジテレビ系)で誕生したガレッジセールのゴリが扮するゴリエ(2005年)、『クイズ!ヘキサゴンII』(同系)発の羞恥心 with Pabo(2008年)など、芸人たちの出場はもはや恒例化していると言っていいのである。

 「お笑いということで言えば、出場歌手ではありませんが、NHKさんは1983年に前年放送の『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の絶大な人気を受けて、タモリさんを総合司会に抜擢しています。1981年には、西田敏行さんが『もしもピアノが弾けたなら』で初出場し、当時は俳優が出場したことで大きな話題になりました。その後も、1990年にトレンディ俳優として人気を博した吉田栄作さんや、宮沢りえさんもともに初出場してますし、1989年には市村正親さん、2001年にはつんくさんプロデュースで歌手デビューした、えなり(かずき)さんも初出場を果たしてます。企画っぽいところで言えば、1999年の茂森あゆみさんと速水けんたろうさんの『だんご3兄弟』がありますし、2011年に出場した人気子役コンビ、芦田愛菜ちゃんと鈴木福くんの"薫と友樹、たまにムック"なんかは記憶に新しいところですね。昨年2015年でも、歌こそ歌いませんが、初出場の星野源さんの応援ということで、バナナマンのふたりと、『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK総合)内のキャラクター・ドランクドラゴンの塚地(武雅)さん扮するイカ大王が出ています。そういった意味では、本業が歌手ではなくても、その年に話題になった歌い手さんや人物を出場させるというNHKさんの基本的な"紅白ポリシー"は、ずっと変わっていないとも言えるでしょう」(前出の編集者)

 確かに『紅白』は、これまでその時代を反映させるべく、いろいろな"企画枠"が設けられて、多くの芸人やタレント、海外アーティストなどが出演してきた。依然として『紅白歌合戦』は、日本の1年を締めくくる"国民的お祭り番組"として、強力な存在感を放っているのである。今年の出場歌手たちの"当落"や初出場の顔ぶれを見ながら、ゆるく、のんびりと大みそかの『紅白』を楽しむことは、日本人の"たしなみ"としてまだまだ有効なのかもしれない。