神木隆之介、漫画実写化キャスト発表時は毎回緊張「原作ファンの反応が怖い」

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「運と巡り合わせとタイミングと環境、すべてが恵まれた状態だった」と語る“神ってる”神木隆之介(写真:逢坂 聡)

 主人公の声を務めたアニメ映画『君の名は。』は興行収入200億円を突破。歴代邦画興収ランキング1~3位(『千と千尋の神隠し』『君の名は。』『ハウルの動く城』)すべてに声の出演をしていることから"神ってる"と言われる神木隆之介。そんな神木の俳優としての最新主演作は人気コミックを2部作で実写映画化する『3月のライオン』。その先も実写『ジョジョの奇妙な冒険』など話題作が続くなか、コミック実写化に対するプレッシャー、子役から活躍してきた俳優業への今の想いを明かしてくれた。

【写真】原作キャラクターそのままと好評の神木演じる桐山零メイキング

◆実写版のキャスト発表時は毎回緊張します

――主演の声の出演を務めた『君の名は。』(新海誠監督)がロングランの大ヒット。歴代邦画興収2位の成績を記録しています。新海作品の大ファンの神木さんとしてはどんな気持ちですか?
神木隆之介 うれしいです! でもどこかひとごとというか、いちファンの感覚というか、「新海監督、おめでとうございます!」という気持ちです。僕の力とか僕がいたからヒットしたというわけではないですし、やはり監督を始め、スタッフ、キャストみなさんの力があったからです。

――『君の名は。』に続いて、原作ファンだった今回の実写『3月のライオン』にも気持ちがかなり入っているようですね。
神木隆之介 もちろんどの作品も自信作ではあるのですが、だからといって、僕たちが自信を持ったところで、必ず受け入れられるとは限らない。しかし、ありがたいことに『3月のライオン』では、原作ファンの方から役が合っているとおっしゃっていただけていますし、試写を観た方の反応もすごく良いとうかがっているので、とてもうれしいです。それでもやはり映画が公開されて、みなさんに観ていただかないとどうなるかはわからないので、安心はできないです。

――羽海野チカさんの原作がお好きだったそうですが、神木さん主演で実写化という話を聞いていかがでした?。
神木隆之介 『3月のライオン』は大好きな作品だったので、うれしかったです。しかし、原作を読んだときに感じたような、心が温かくなるような感覚を実写で表現しなくてはいけないと思ったら、それはとてもハードルが高いとも思いました。

――桐山零を神木さんが演じることが発表されたときは、原作ファンの間からもかなり好意的な声が多かったように感じましたが。
神木隆之介 そう言っていただけたことは本当にうれしかったです。キャスト発表の日は緊張しました。とくに今回は、2部作の主演を務めさせていただいているので、とても怖かったです。ただ、この作品に限らず、発表の日は毎回緊張します。

◆子役の頃、親から「プロだったら子どもとかは関係ない」と言われた

――大友啓史監督が、幼少期からプロの俳優として活躍してきた神木さんのキャリアが、15歳でプロ棋士として生きていくことを決意した桐山零の覚悟に重なるところがあると指摘していましたが、そういった部分で零に共感できるところはありましたか?
神木隆之介 それは大友監督から言われて初めて気づきました。盤上では、相手は桐山のことを学生とも子どもとも思っていなくて。ただの桐山零五段と思って見ている。そんななかで桐山は、なぜ勝ってきたのか。どのような立ち振る舞いをして、天才と言われてきたのか。本当は彼は天才ではないのですが、強いからまわりから天才だと言われる。その原因は何だろうと考えると、それはあの歳でプロとして向き合っているからなんだろうなと思うんです。僕も親から「プロだったら、子どもとかそういうのは関係ないから」と言われたことがあって。それと一緒なのかなと思いました。その向き合い方はヒントになりました。

――幼少の頃から売れていると、そのイメージから脱却するのが難しかったりもします。神木さんはスムーズに大人の俳優へ移行したように見えるのですが。
神木隆之介 ありがたいです。でもそれは、その年代ごとにタイミングよく年相応のいい仕事に携わることができた結果なんだろうと思います。

――出演オファーもひっきりなしかと思いますが、神木さんの作品選びの基準はないんですか?
神木隆之介 ないです。事務所に呼ばれて、台本を渡されるというような感じです。それで「明後日から山梨で乗馬の練習をします」と言われて、「乗馬をするんですか?」という感じで進んでいきます(笑)。「次は料理人の役だから、これから料理を勉強して」と言われたこともあります。でも事務所からくるハードルを乗り越えなければいけない。それが仕事ですし、やるのが当たり前。だからこそ、この仕事は難しいと思っています。

――今回の『3月のライオン』もそうですし、前作の『君の名は。』もそうですが、神木さんが好きな作品を引き寄せているようにも見えるのですが。
神木隆之介 それはありがたいことです。ただ僕がいくら好きだと言っても、その役が必ずしも僕のところにくるとは限らない。やはり運と巡り合わせとタイミングと環境と、すべてが恵まれた状態だったから、出会えた仕事だと思います。
(文:壬生智裕)