アキラ100%が明かす恩師との絆 「R-1決勝前のアドバイスで結果を出せた」

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『R-1ぐらんぷり2017』でグランプリを獲得したアキラ100%

 『R-1ぐらんぷり2017』(フジテレビ系)で見事グランプリを獲得したお笑い芸人のアキラ100%。昨年度優勝者・ハリウッドザコシショウに続き、ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)所属芸人が2年連続で「ひとり芸日本一」タイトルを獲得する快挙だ。42歳にして一躍、時の人となったアキラ100%と、彼を長年に渡り見守ってきた恩師、お笑いプロジェクト「NEET project」を統括する平井精一氏(株式会社ソニー・ミュージックアーティスツ SMAビジュアルエンタテインメント本部)が「いけると確信していた」というR-1決勝の舞台裏や、これまでの転機について語った。

【写真】『R-1ぐらんぷり2017』優勝時のアキラ100%

◆才能があっても頑固なやつは、なかなか売れない(平井氏)

――優勝おめでとうございます。一夜にして50本以上の仕事のオファーがあったとお聞きしていますが、率直な感想はいかがでしょうか。
【アキラ100%】 去年は50本に届かないくらいの仕事量でしたので、単純にありがたく、嬉しいですね。それだけにもちろん、怖さもあります。

――その「怖さ」とはどこからやってくるのでしょうか。
【アキラ100%】 自分がこの期待にちゃんと応えられるのかというプレッシャーです。バラエティ番組もよく観ていますが「もしこの番組に出ることができたら、自分はどのあたりに座ってどんな発言をするのか」と薄ら想像するじゃないですか。それが、急速に現実味を帯びてきて。トークライブもあまり経験していない、キャッチーな一発ギャグもない、どうしよう、という。
【平井】 まとまりとして話がきちんとできるので、そこはさほど心配していません。ただ、バイきんぐの小峠のような瞬発力があるかというと、そこはもう少し磨かないといけないかなあ。アキラ100%は1回、飲み込んで考えてしまうところがあるんですね。何でもいいからスッとまず返す、それがテレビでは特に大事かなと思います。

――平井さんが2004年暮れに立ち上げたSMAのお笑い芸人発掘・育成の「NEET Project」にアキラ100%さんが参加した当時のことは覚えていますか。
【平井】 2005年の夏頃からかな。鍛えればいずれ戦力になるだろう、という枠には当時から入っていました。芸人として、演技力がある、きちんと発声できて言葉が届くという能力がすでに備わっていました。さらに、舞台での振る舞い方、発声や動きについてもちゃんと計算ができる。言い換えれば、自分を客観視できるというのはある種の才能なんですよ。アキラ100%はきちんと他人の意見を聞く耳を持っている。これはとても大事なことです。
【アキラ100%】 確かに、そういう意味での妙な思い込みや自負はないですね。僕はとにかくネタをきっちり作って、舞台やテレビで披露したいという思いがどちらかといえば強くて。スポンジじゃないですけど、こうしてみたら、というアドバイスや意見はどんどん受け入れながらやってきたところはあります。
【平井】 才能があっても頑固なやつはなかなか売れないんですよ。それより、柔軟な思考で周囲の意見を取り入れる人間のほうが、時代感を正確に捉えることができるように思います。
【アキラ100%】 アドバイスといえば、決勝進出するにあたって、番組の構成作家さんに「2本目はどうするか」という話をされて。同じテイストのものを続けるか、コントをやるか、ちょっと自分でも迷ったことがありました。平井さんにも相談すると、勢いはついているはずだから、2本目は入り方をきちんと考えたほうがいい、導入を工夫したら、と助言をもらいましいた。そのおかげで、当日に結果を出すことができたのだと思います。
【平井】 2本目は冒頭で笑いをとってほしいというのは伝えましたね。登場して1、2秒で笑いを起こしてほしいと。楽屋でモニターを見守っていたら、実際に笑いが起きていて、これはいけるんじゃないかと確信に似たものを感じました。

◆『ガキ使』が転機に...正直なところ自分でもバカバカしい芸だと思う(アキラ100%)

――それにしても、生放送でのいわゆる裸芸「絶対見せない de SHOW」にはある種の異様な緊張がありました。今までのどこか保険がかかっていた裸芸とはちょっと違うスリルがありますよね。ソニー系の事務所所属というのに、よく許可されたな、と思ってしまいます。
【アキラ100%】 自分でも、よくテレビに出られたなと思いますよ。しかもそれを女性の方々も笑ってくれて、よく受け入れてくださったなあと、不思議でもある。真面目な話、裸がヒワイに見えるかどうかというのは、かなり大きなポイントだと思います。僕の場合、いわゆる平均値というか、普通の中肉中背のおじさんがやっているから成立する部分もあって。これでもし、凄くセクシーな身体をしていたらまた話は別。たまたまスポーツクラブの店舗スタッフでバイトを長くやってきて、筋肉や身体を意識する機会が多かったというのも、プラスに働いているのだと思います。
【平井】 2015年に、ダウンタウンさんの『ガキの使いやあらへんで!!』内の「山-1グランプリ」という企画に呼んでいただいたことが、明らかに転機になったよね。
【アキラ100%】 あそこでダウンタウンさんをはじめとする多くの芸人さんたちに笑ってもらったことで「これは笑っていいんだよ」という発信をしてもらえた。正直なところ自分でもバカバカしい芸だと思いますし、世間の印象もなにも、それ以前の仕事のオファーはピンになってからは1回しかありませんでしたから。(注:2005年よりお笑いコンビ・タンバリンとして活動。2010年の解散以後、ピン芸人に)それで当時すでに40歳。よし、これからたくさんネタを作ってがんばろう、という歳でもないわけで。ですから、これで笑ってもらえるなら、もうこれでいこうと腹をくくりました。ダメ元という感覚ですね。普通に服を着たコントでダウンタウンのおふたりを笑わせる自信なんて今もないです(笑)。

◆SMAじゃなければ、この結果はなかった(アキラ100%)

――なぜ、音楽系のイメージが強いSMAを選んだのですか?
【アキラ100%】 たまたま芸人を募集しているのを知ったのがきっかけですが、本当にあのソニーが募集しているの? と疑っていたところも実はあります(笑)。ただ、入ってみると、他の事務所で活動していた人たちが集まった感じで、どこか傷を抱えた連中ばかり。"SMAはどこでもダメだった奴らが最後に集まるところ"なんて揶揄された時期もありましたが、むしろココじゃなかったら、もっと小ズルい芸人になってしまっていたというか、SMAにいたから売れたという人ばっかりだと思うんです。今回はたまたま優勝できましたが、それも、泥をすすってきた芸人さんたちの血を少し分けてもらえたからかな、と。ここじゃなければ、この結果はなかったと思っています。

――SMAのカラーも出てきているように感じますね。
【平井】 昨年の王者、ハリウッドザコシショウもそうですが、ドリフ的な笑いの基本に回帰しているという部分はあるかもしれません。アキラ100%の場合も、宴会芸という意味では、そのへんの日常に落ちていることをブラッシュアップして披露している。誰でもすぐわかる設定や、日常の中でのちょっとしたズレをいじるとか、一見さんでもわかるようにネタを磨いていくのはすごく大事な作業だと思います。そこは所属の芸人たちに繰り返し伝えている部分。ただ、あまりそれを強調しすぎて、新しい発想や尖った部分、でこぼこした部分を研磨しすぎても、おもしろくないので、難しいですけど。

――では最後に今後の抱負をお聞かせください。
【アキラ100%】 裸で、行けるところまで行きたいです(笑)。街ぶらロケなどで対応が必要なら、最小限はフォローするにしても、別に服は着なくていいですよ、という仕事なら、できる限り服は着たくないです。あとは、どんな仕事をするにしろ、ライブはずっと続けていくつもりです。

(コンフィデンスより)