ディズニー・アニメーションの求心力(4)日本の存在感

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ディズニー及びディズニー/ピクサー作品の長編・短編すべての音楽を統括するトム・マクドウーガル氏(エグゼクティブ・ミュージック・プロデューサー) (C)ORICON NewS inc.

 時代を超越するために、音楽も徹底してこだわるディズニー・アニメーション。世界中にアンテナを張りめぐらせ、日本の楽曲が使用されたこともある。『シュガー・ラッシュ』(2012年)ではAKB48が歌う「シュガー・ラッシュ」、『カーズ2』ではPerfumeの「ポリリズム」がかかっていた。

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 「一体どうやって見つけたのか?」、ディズニー及びディズニー/ピクサー作品の長編・短編すべての音楽を統括するトム・マクドウーガル氏(エグゼクティブ・ミュージック・プロデューサー)に聞いた。

 「いまは、オンラインでいろいろ探すことができるから便利だよね(笑)。『PPAP』はつい最近、知ったんだけど(笑)」(取材は今年1月に実施)と、普段から日本の文化やコンテンツに関心を持っているよう。

 「僕らの映画づくりにはフォーミュラ(成功の方程式)があると言われるけど、敢えて僕らにフォーミュラがあるとすれば、それは一生懸命努力するしかないということだ。僕は音楽を聴くことが仕事だから、いろんな音楽に触れて、どこか新鮮で、ほかと違う何かを感じられるものを常に探している。その中でも日本のものに引かれるのは、新鮮でオリジナルなものが多いからだ。日本みたいな国は、ほかにないよ」。

 日本の記者に対するリップサービスもあるだろうが、それだけでもないようだ。

 「僕にとって(日本文化は)どこか魅力的なんだ。子どもの頃から僕はたくさんレコードを買って聴いていた。そして、どういうきっかけだったか忘れたけど、輸入された日本盤を好んで買っていたんだ。ボーナストラックが入っていたり、セロファンの包装がアメリカのものより厚くてしっかりしていたり、いいなぁと思ったんだよね。

 大学生の時に、初めて寿司を食べたんだけど、とても興奮した。SAKE(日本酒)もおいしかったな。ロサンゼルスのソーテル・ブルバードにある日本人街にも良く行くんだ。ポッキーが好きでね(笑)。日本のものを売っている『ジャイアント・ロボット』という店は情報収集に欠かせない店だ。ほかにどんなアーティストが良かったかな…、あっ、ケイティー・ポニョポニョとかいうアーティスト知っている?」

 「きゃりーぱみゅぱみゅ」ではないかと思われたので、彼女かどうか確認してもらうと、「そうそう、彼女とも仕事ができるといいね(笑)。ポニョは娘が好きなミヤザキさん(宮崎駿監督)の作品だった(笑)」。

 そして、マクドウーガル氏が語ったのは、“アニメ大国ニッポン”の存在感だ。

 「ディズニー作品は世界各国の言語に吹き替えられ、歌も各国語ヴァージョンが存在するけれど、日本版は特に注意深く作っているよ。オリジナルのエッセンスを確実にとらえているようにしたかったんだ。なぜって、日本が大好きだからだよ(笑)。そして、明らかに日本は僕らにとって、とても大きなマーケットだ。アニメーションがどれほど日本の人たちにとって特別なものか、ということも知っている。日本にはより高いクオリティーの作品を届けたいんだ」。

*1937年に公開されたディズニーの長編映画第1作『白雪姫』(世界初の長編、しかもカラーアニメーション映画でもある)から80年。今なお進化し続けるディズニー・アニメーションの求心力を、つくり手たちの話からひもといていく。