総合演出が語る『全力!脱力タイムズ』人気の秘けつ 滝沢カレンのナレーション成功に見る"誠実さ"

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フジテレビ系バラエティー『全力!脱力タイムズ』放送100回目の番組カット (C)フジテレビ

 お笑いコンビ・くりぃむしちゅーの有田哲平がMCを務めるフジテレビ系バラエティー『全力!脱力タイムズ』(毎週金曜 後11:00)が、きょう27日に放送100回を迎える。メインMCのアリタ哲平(有田)、同局の小澤陽子アナウンサー、全力解説員、ゲストコメンテーターが"報道番組"という枠組みを使って見せるドタバタ劇。先月1日の放送では、番組最高視聴率7.6%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録するなど、お笑い好きを中心に熱い支持を集める同番組の魅力に迫るため、総合演出の名城ラリータ氏に話を聞いた。

【写真】目茶苦茶なナレーションが話題!滝沢カレンの"モデル"カット

■芸人の力量問われるシットコム形式 反響大きく、役者側から逆オファーも

 ゲストコメンテーターの基本的な座組は、俳優と芸人の2組。有田と解説員、そして俳優のゲストは収録内容を知っており、芸人だけが知らないというシチュエーションコント(シットコム)の体裁を取ることから、脱線に次ぐ脱線の展開に対応できる瞬発力が芸人に求められる。2015年の番組スタート時は、この仕組みを理解してもらうことに苦労したとラリータ氏は振り返る。「今でこそ番組の認知度も上がってきましたが、昔は収録時間の大半は、芸人さんが戸惑って『これ、何やっているの?』だけで終わることもあって、『オンエア見てください』と言って、理解してもらうことが続きました」。

 こうした取り組みが功を奏して、番組の特色もじわじわと浸透。MCの有田もゲスト一覧を眺めながら、番組の成長をかみしめる。「綾部(祐二)、サンドウィッチマンの伊達(みきお)ちゃん、小籔(千豊)さんは細かくツッコミを入れてくれていましたね。バカリズムは、一緒に入って『変な報道番組に入ってきてしまったんだな』っていうような表情を作ってくれたり、ホリケン(堀内健)のように戸惑いながら暴れ回る人もいました。本当に、全員の回を覚えていますね。芸人さんだけが、本当にこの番組の真剣に作った台本を知らないので、出てくれる方によって番組の色が毎回変わっていくのは面白いです」。

 蒼井優や渡部篤郎など、番組ファンを公言する役者も多く「ぜひ『脱力タイムズ』に出たい」という逆オファーもあるほど、出演者側からの反響も次第に大きくなっていった。ラリータ氏も手応えをにじませる。「好かれているっていうのは非常にうれしいですね。本当にその人が思っていない、台本でやっているんだっていうのが、視聴者の皆さんもわかっているので、逆にやりやすいのかもしれない。作り手側からすれば、バラエティーとドラマを分ける考えがあるんですけど、演者さんにとってはあまり関係がないのかなと、この番組をやっていて気がつきました」。

■滝沢カレンのナレーションは"素材"で勝負 過度な演出は「バレるし、笑えない」

 モデルでタレントの滝沢カレンがナレーションを務める人気コーナー「美食・絶景遺産」では、滝沢が繰り出す予想外の読み間違えと、独特なワードセンスで放送される度に爆笑の渦に包まれる。ラリータ氏は、特にこのパートでは過度な演出をせず、素材そのもので勝負することに重きを置いていると打ち明ける。「僕らもテレビを作っている以上は保険が必要だなと思うんですけど、それはやめました。僕らが毎回ウソを考えて、それを読んでもらっていると『やりにいっているな』ってバレますし、それだと笑えないと思う。こっちが原稿を用意するナレーションと、本人に任せる実況というブロックを作っています」。

 どう転ぶかわからない滝沢のナレーション収録を、ラリータ氏は毎回ヒヤヒヤしながら見守っている。「前の回では『逸品』という字を読めていたのに、次の回で読めないということがあって、普通だったら読めるか読めないかのどちらかに合わせようってなりますが、『もういい。その日のバイオリズムだ』って言って、そのまま流しました(笑)。滝沢さんに関しては、変に僕らが装飾しないので不安ですが、そこはウソついてないっていうことで見てほしい。本人の才能でここまで来ているので、僕らが変にテレビサイズに演出するのはやめようと思っています」。「やりにいかない」演出...これこそ、今のバラエティー番組に求められているものだろう。

 最後に、MCの有田についてラリータ氏に聞いてみた。「今のお笑い界の中でも、有田さんは本当にオールラウンダーでバケモンですね。有田さんが持っている爆発力で番組も、僕自身もスゴく成長させてもらっています。もちろん、一番大事なのは視聴者の皆さんなのですが、VTRが完成した瞬間に有田さんに面白いと思ってもらえるものを作りたい。有田さんが面白いと思う笑いを、僕らがどのように具現化していくかっていうのが、ウチの番組の鍵だと思っています。これからちょっとずつ変わっていくと思うので、見ている人も期待してほしいですし、それに応えられるにやっていきたいです」。100回という節目を迎え、さらに勢いが加速しそうな『脱力タイムズ』。金曜日の夜が、ますます楽しみだ。