“王道アイドル”渡辺麻友が明かす苦悩と孤独「主演の器じゃない」

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アイドル時代と同じく、慢心せず危機感を持って“努力の過程”を見せていく意気込みを明かした女優・渡辺麻友  撮影/TAKU KATAYAMA(C)oricon ME

 昨年AKB48を卒業し、女優として活動する渡辺麻友が、アイドル卒業後初となる主演ドラマ『いつかこの雨がやむ日まで』(東海テレビ・フジテレビ系)に挑む。“殺人犯の妹”として絶望に突き落されながらもミュージカル女優を志す女性という難役を演じ、王道アイドル“まゆゆ”が一変して、愛と狂気に翻弄されていく姿を披露する。「女優としての強みなんてない」と語りつつも難役に挑戦する渡辺に、主演作品への思いや今後の女優道について聞いた。

【写真】24歳、大人の女性の魅力を発揮する渡辺麻友を激写

■不幸シーンオンパレードの“ヤバい”ドラマです

――『いつかこの雨がやむ日まで』(8月4日スタート 東海テレビ・フジテレビ系/土曜23時40分~)は非常に“重い”ドラマのようですが、見どころは?
【渡辺麻友】恋人だったミュージカル女優を殺した兄が出所して、ひかり(渡辺麻友)と15年ぶりに再会したら、「実は兄は真犯人じゃなかった」…というところから始まって、さらに悲劇の連続でいろいろな出来事が起きていきます。どんどん重要人物が出てくるので、「この人、怪しくない?」と思いながら見ていただけたら面白いと思います。

――プロデューサーのコメントでは「とことん渡辺さん(ひかり)を追い詰めていく」とありましたが、どんな風に追い詰められていくのでしょうか?
【渡辺麻友】「またこんなかわいそうな状況に」とか、「うわ苦しい!」とかそういった不幸シーンのオンパレードで、何かしら苦しんでいたり泣いていたり嘆いたり怒ったりしています。そんな風に、“台本上で”とことん追い詰められています。でも、スタッフさんたちはみなさん優しいです(笑)。「土曜の夜にヤバいドラマやっている」みたいな感じでバズったらうれしいですね。

■「なんで私ばっかりこんな目に…!」にシンクロ? “闇”の一面を発揮

――ご自身との共通点や共感できる部分はありますか?
【渡辺麻友】 ひかりが本音をぶちまけるシーンがあって、そのセリフはすごく共感できました。お金を稼ぐためにキャバクラで働くひかりが同僚の女の子にいじわるをされて、「私はこの15年間誰の力も借りずに生きてきたんだ!たった一人で」と言い返すんです。置かれている状況は全然違いますけど、私も人に頼らずに生きてきたという想いがあります。「何で私ばっかりこんな目に合わなきゃいけないんだよ」みたいなセリフも私自身とシンクロしていました(笑)。

――“キャバクラ嬢のまゆゆ”も見どころのひとつじゃないかと思います。視聴者からすると渡辺さんがこういった役をやられていることも新鮮ですね。
【渡辺麻友】 そうですね。ひかりはすごく暗いというか闇の中で生きていて、テンションが上がることもないんですけど、“素の私”もそっち寄りです。世間的には“アイドルまゆゆ”のイメージもあるかもしれませんが、「こんな暗い、闇っぽい一面も持ち合わせています」ということを知っていただけたらと思います。

■「難しくて苦しい」芝居のお仕事を、楽しめるようになってきた

――昨年末のAKB48卒業後、今年はミュージカル『アメリ』にも出演されて、今作と主演作が続いていますが、心境は?
【渡辺麻友】 私は全く主演の器じゃないのですが、主演はありがたいので頑張って務めさせていただいております。でも、今回は最初に監督さんと話した時に「そんな気負わず、気楽にやってください」と言われました。今まで気負ってばかりの人生で相当行き詰まっていたので、今作をきっかけに少し気楽にやってみようと思えています。

――では、今までよりは明るい気持ちで取り組めているんですね。
【渡辺麻友】 そういうわけでもなくて…。私個人としてのテンションが、演技に出ちゃっても困りますから。お芝居は内側からにじみ出るものがあると思うので、あえてテンションが下がるようなことを考えたり、自分を追い込んでいます。

――心のコントロールをしないといけない大変なお仕事ですよね。芝居が好きと過去も言っていますが、お芝居が好きだと目覚めたきっかけは?
【渡辺麻友】「(芝居を)好きだな。楽しいな」って初めて思えたのが、去年の春に放送されたドラマ『サヨナラ、えなりくん』(テレビ朝日系)でした。それまでお芝居は正直好きじゃないし、楽しくないし「何でこんなに難しくて苦しんだ」と思いながらやっていたのですが、その作品から、ちょっと希望の光が見えるというか、楽しいって思える瞬間があって…。それがもっと増えたらいいなという望みを持ちながらやっています。心から女優のお仕事を楽しめる取り組み方をこれから見つけていきたいです。

■主演の器ではない、でも挑戦は続けたい

――女優としても期待されているからこその主演だと思います。自分の強みは何だと思いますか?
【渡辺麻友】 強みは何もなくて…。主役の器じゃないし、本当に根性も勇気も度胸もなくて困っています。女優として本当に課題が山積みですが、まずは自己解放していけたらいいなって思います。そこが一番の大きな課題です。

――それでも女優のお仕事に挑戦するわけですね。それは“努力の過程”を見せてきたアイドル時代に培った精神性に通ずるものがあります。
【渡辺麻友】 そう言われるとそうかもしれません。頑張りたい思いはあります。

――先程、「私も人に頼らずに生きてきた」とありましたが、アイドルは孤独の中で“演じていた”部分もあるんでしょうか?
【渡辺麻友】 いつも一人で、生きていて孤独ばかり感じています。アイドル時代は、望まれている姿や、ファンの方の理想に寄せていたかもしれません。

――その経験が女優のお仕事にも生きているわけですね。
【渡辺麻友】 だといいんですけどね(笑)。お芝居に限らず、人に接することが私にとってハードルが高いです。女優は、こんな人間が簡単にできる仕事じゃないと思っています。でも、これからしっかり自分を見つめて、考えて、挑戦していきたいです。