赤松健氏、海賊版対策に新施策発表 漫画素材提供した読者へ収益10%を還元

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「マンガ図書館Z」実証実験開始に関する記者発表会に出席した赤松健氏 (C)ORICON NewS inc.

 人気漫画『ラブひな』や『魔法先生ネギま!』で知られる赤松健氏が1日、都内で行われた「マンガ図書館Z」実証実験開始に関する記者発表会に出席。海賊版問題に対し「マンガ図書館Z」の新たな施策として、作家以外の第三者から絶版した漫画作品などの素材提供を受け付け、提供者が収益の一部をインセンティブとして受け取れるプランを発表した。

【写真】人気漫画『ラブひな』『魔法先生ネギま!』原作者の赤松健氏

 「マンガ図書館Z」は、漫画家・権利者の許諾、厚意によって「もう絶版になってしまった懐かしい漫画」や「出版社の許諾を得た無料漫画」、「単行本化されなかった漫画」などが無料で読める電子書籍サイト。漫画には広告が付いており、その広告収益を100%作家に提供しているため、著作権侵害で社会問題となっている海賊版サイトと性質が異なる。

 同サイトを運営するJコミックテラスの取締役会長を務めている赤松氏は、この日、実業之日本社と連携することを発表。過去に同社で発行・掲載されたことのある作品のうち、現在、紙・電子ともに発売されていないものを蒐集(しゅうしゅう)し、収益化を検証する実験を明かした。現在販売していない紙・電子作品を「マンガ図書館Z」上で配信することで、海賊版での作品流通を防止するのが狙いだ。

 具体的には「マンガ図書館Z」のプラットフォームを利用し、実業之日本社の作品を蒐集。作家からの投稿、第三者からの素材提供のいずれも可能で、蒐集は「漫画作品」だけでなく「書籍全般」(定期雑誌、ムックは除く)を対象とする。注目は、作家以外の第三者からの提供素材を受付、提供者が収益の一部をインセンティブとして受け取ることができる点。第三者からの場合は、作家本人の確認が必要となる。

 施策の目的は、大きく3つ。1つ目は、過去の作品を権利者本人、第三者から素材を提供してもらうことにより権利者の利益に貢献。2つ目は、作者にとってメリットの無い海賊版での作品の流通を防止すること。3つ目は、接することが難しくなった過去の作品を電子化することで、読者の利益に貢献できることが挙げられる。

 赤松氏は海賊版を撲滅したい理由として、報道記者に「絶版となった本がほしい場合、あなたはどうしますか?」と質問。「オークションで手に入れる、古本屋で買う、海賊版サイトで読むなどありますが、どれも作家の収益にならない。特にネットで海賊版を入手して読むことが簡単。この問題を解決したい」と力を込めた。

 今回の施策について「第三者からの素材提供の場合、作家さんに『電子書籍化してもいいか』と許諾を取る。もしダメなら電子書籍化しないので、違法アップロードがない。許諾を取った後に掲載されるので、動画が勝手にアップされているYouTubeなんかと違い完全合法」と説明し「収益の分配は、作家が80%、素材提供者が10%、仲介に入った出版社が10%受け取ることができる予定」と明かした。

 きょう1日から1年間、全4358名の作家、全8871冊を募集する。詳細は公式サイトで一覧が公開されている。