ゆにばーす・はら「詐欺メイクは努力の賜物」 活躍の裏にコンプレックスと向き合う実直さ

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詐欺メイクで話題のゆにばーす・はら (C)oricon ME inc.

 SNSに詐欺メイク写真を投稿しては「別人すぎる!」と評判を呼んでいるお笑いコンビゆにばーすのはら。『VOCE』(講談社)や『CanCam』(小学館)といった人気女性誌でも特集が組まれるほど話題が尽きない彼女の、初の詐欺メイク本『ゆにばーすはらの#詐欺メイク』(世界文化社)が発売。はらの「奇跡のメイク術」はどのようにできあがっていったのか。詐欺メイクを始めるきっかけとなった出来事やメイクに対する思いについて聞いた。

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■詐欺メイク撮影のきっかけは“障子”と“朝日”「人に会わずモテる研究しつくした」

 子供時代、アメリカに住んでいたこともあるはら。海外では一重まぶたがアジアンビューティーと評価され、「すごいかわいい」と周囲に言われ続けてきたのだという。一方で、ファッションや美容に関してはまったくの無頓着。「運動部だったこともあって、化粧しても意味ないなと。でも一度だけ小6の頃にお母さんの化粧品を試してみたことはありました。口紅を塗ったらとてもバブリーな仕上がりになってしまい…『唇が内出血しているけど大丈夫?』とからかわれて、もう絶対にメイクなんてしない!と心に決めていたんです(笑)」(はら)。

 そんな彼女がメイクに目覚めたのは20歳を迎えた頃。加工アプリなどもまだまだ一般的ではなかった時代だった。当時は祖母の家に住んでいて、深夜稽古から帰ると明け方になるまで狂ったようにメイクの練習をしていた。「いざ写真を撮ろうというタイミングで、部屋の障子にスッと朝日が差し込むのを感じたんです」というはら。これを利用すれば、レフ板のようにシワやくすみを飛ばせるのでは?と考えた。まさに天然の加工アプリである。朝日は肌を美しく照らし、詐欺写真の撮影にも成功。それからは、当時始めていた出会い系サイトで「人に会わずにどれだけモテるか?」を検証する日々に。プロフィール写真をアップするため、詐欺メイクの撮影には特にこだわるようになっていった。

 はらの詐欺メイクの写真は、アップして5分で80件も『会いたい』と連絡がきたこともあるほどクオリティの高い写真ばかり。しかし、いざ男性と待ち合わせて実際に会ってみると「気分が悪いので帰ります」と逃げられてしまう。「全然悲しいとは思わなかったけど、それからは詐欺メイク写真は自分自身で楽しむようになりました。元からどれだけ変われるのか、さらなる研究が始まりましたね」(はら)。

■金欠時の限界コスメは”ピンクのアイライナー”、チークからリップまでその1本で顔をつくる
 
 はらの詐欺メイクのテーマは「顔のコンプレックスをどう克服していくかとことん向き合う」こと。「あごが左にまがっている、上唇だけ薄い、口が小さい、目が細めといった私のコンプレックスをメイクで変えていこうと。雑誌を読んで流行のメイクを真似したり、海外のメイクアーティストのInstagramやボビイ ブラウン、M・A・Cといったコスメブランドのアカウントをフォローしたり、メイクのハウツー動画を見て研究してきました」(はら)。

 とはいえ詐欺メイクを始めたばかりの頃は現在より収入も少なく、高価なコスメを揃えることは難しかった。そんなときに大活躍していたというのが、1本のピンクのアイライナー。最近、安価なのにデパートで売っているコスメ並みの実力を発揮する“限界コスメ”が話題だが、その先駆けとも言えるのが、ゆにばーす・はらのコスメテクニックだった。「ピンクのアイライナーで顔に統一感・立体感を出せないかなと考えて。アイライナーでチークとして塗ってぼかして、そのままリップに口紅のように塗って撮影したりしていました。アイライナー1本で人は変わることはできるんです」(はら)。

■自身初のメイクアップ本がAmazonメイクアップ部門ランキング1位に

 “詐欺メイク”をきっかけに、さまざまな美容雑誌やファッション誌に登場。さらにはメイク本もAmazonのメイクアップ部門で1位を獲得し、まさに飛ぶ鳥を落とす活躍ぶりに本人もテンションMAX。「イエエエエェェェェェェェイ!!!!!!めっちゃうれしいです。絶対に家宝にして、この本のことをずっと語り継いでいきたいです」(はら)。

 『ゆにばーすはらの#詐欺メイク』では、彼女の詐欺メイク技術を余すところなく解説する。ベースの作り方から、自撮りの基本、7つのテーマで作る応用編の詐欺メイクのハウツーまでを使用アイテムとともに丁寧に教えてくれるので、初心者でも真似できる気軽さもウケるポイント。ちなみに、相方の川瀬名人ははらの詐欺メイクについて「ええんちゃう」と肯定的。本書でははらの渾身の自撮りに対する相方ならではの毒に満ちたコメントも見どころだ。

 SNSで注目を集め、人気女性誌で特集、さらには本の出版と順風満帆のはら。今後の展望とは?

「詐欺メイクは私にとって『努力の賜物』。自分の顔はある程度わかるようになってきたから、今度は人のメイクもできるようになりたいですね。吉本は詐欺メイク素材の宝庫なので(笑)、詐欺メイクを通して女性芸人たちを盛り上げていきたい。盛れるスポットに行ってみんなで写真を撮る“盛り友ツアー”も開けたらいいですね」(はら)。

 加工アプリが無かった時代から自身のコンプレックスに向き合い、研究しつくしてきたはらの詐欺メイクは、SNSでも多くの女性たちから共感の声を集めている。“詐欺メイク”という新たなメイクのジャンルが今後どのように盛り上がりを見せていくのか、見守っていきたい。
(文:齋藤倫子)