日本の伝統文化“花火大会”に変化 テクノロジーとエンタメが融合した『東京花火大祭~EDOMODE~』

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8月11日に東京・お台場海浜公園で初開催される『東京花火大祭~EDOMODE~』

 協賛企業の獲得や花火職人の確保など、さまざまな問題によって減少傾向にある花火大会だが、時代と共にそのスタイルも変わりつつある。今年4月に開催された『STAR ISLAND』もそのひとつで、3Dサウンドや最先端テクノロジー、パフォーマンスが融合した新たな花火エンタテインメントとして人気を得た。そんななか、8月11日には東京・お台場海浜公園で『東京花火大祭~EDOMODE~』が初開催される。同イベントは、芸能・芸術・伝統・音楽・食・テクノロジーといったさまざまなコンテンツをフィージョンさせ、花火大会の概念を進化させる取り組みとして注目を集めている。

【ライブ写真】台湾のファンを沸かせたPerfume

◆伝統的な江戸文化と最先端テクノロジーの東京をフュージョン

 同イベントのコンセプトは“EDOMODE(江戸モード)”。伝統的な江戸文化と最先端の東京をフュージョンさせ、芸能・芸術・伝統・音楽・食・テクノロジーといったさまざまなコンテンツを発信するのがその内容だ。花火を打ち上げるのは、内閣総理大臣賞クラスの花火師を含む4組。日本を代表するこれら一流の花火師が東京の花火大会で集うのは初となる。一方で花火をデザインするのは、プログラミング教室の子どもたちというユニークな試みだ。『東京花火大祭~EDOMODE~』を企画したミスターフュージョンは、2020年の小学校プログラミング授業の必修化に向けて、小学生を対象としたプログラミング教室「プロスタキッズ」を運営している。『東京花火大祭~EDOMODE~』の企画の起点を、同社代表取締役社長の石嶋洋平氏は次のように語る。
「現代の花火は、デザインから打ち上げまでをコンピュータでプログラミングする、伝統とテクノロジーが融合した芸術として進化しています。ところが花火師の継承者は減っている。子どもたちの自己実現を通して、日本が世界に誇る伝統文化を未来に繋げるのもこのイベントの趣旨の1つ。近年、IT業界も続々と花火に注目していますが、花火師がYouTuberのように子どもの憧れの職業になる可能性はあるはずです」

 芸能・音楽と花火の融合にも注目したい。米津玄師「Lemon」、Perfume「無限未来」といった楽曲と花火のコラボした、エンタテインメント性あふれる豊富なコンテンツが用意されている。
「「Lemon」は、MVがYouTubeで1億回再生を突破した記念のコラボです。遠くに行ってしまった大切な人を思って歌われたこの楽曲が、お盆休みに入るこの日、東京の夜空を彩ります。またラストを飾る「無限未来」は、東京を象徴するようなPerfumeのイメージと、壮大で神秘的な楽曲の雰囲気が、まさにこの花火大会のコンセプトにマッチしていたことからコラボが実現しました。東京の未来への進化と飛躍を思わせる演出を予定しています。アーティストは登場しませんが、楽曲とシンクロした形で花火が上げられるのもテクノロジーの賜物です。川越藩火縄銃鉄砲隊の空砲で始まり、江戸時代から現代までをストーリー立てた内容となっています」

◆収益化することが花火(伝統文化)を未来に継承するカギ

 また、市川海老蔵が登場して新作舞踊を披露するステージもある。江戸文化を彩った花火と歌舞伎が融合するのは「歴史上初の試み」という。市川團十郎のゆかりの地である山梨県市川三郷町の花火業者・マルゴーも参加する。観覧は有料で、「花火と歌舞伎を楽しむ席」をはじめ、屋形船、ヒルトン東京お台場でブッフェを味わいながら花火を観覧できる席などは数万円クラスと高額ながら、いずれも完売間近だ。
「特にペア席やファミリー席が好評です。またいずれの席種にもプラスプライスで最前列を用意したのですが、真っ先に完売しました」

 なお、動員は約2万人を予定。数十万人を動員する他の東京の花火大会と比べれば、かなりのゆとりを持って観覧ができるだろう。今回の券売状況からも、お金を払って価値のある体験をしたいという層は確実に増えているようだ。
「安全性や快適性を設計した上でのチケットの価格設定となりました。券種によってできる体験はやや異なりますが、来場したすべての方に満足していただけるサービスを提供したいと考えています」

 長らく日本人の間には「花火大会=無料」という価値観があった。しかしそれが混雑を引き起こし、花火を楽しめなくなるばかりか、事故すら起きた事例もある。また、協賛企業の獲得や花火職人の確保など、さまざまな問題によって花火大会の現状は芳しくなく、全国的に中止となっている花火大会は多い。
「民間が参入することでサービスやコンテンツを充実させ、収益化することが花火という伝統文化を未来に継承する鍵ではないでしょうか。エンタメ性あふれる大型イベントとしての花火大会の可能性を『東京花火大祭~EDOMODE~』で開花させたいと思っています」

(文/児玉澄子)
[18年8月13日号 コンフィデンスより]