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相次ぐ賠償の請求開始遅れ 田畑や山林は先送り

相次ぐ賠償の請求開始遅れ 田畑や山林は先送り

雑草が生い茂り荒れ放題となった旧警戒区域の田畑。東電の賠償基準の提示は先送りされ、再建の見通しは立っていない=南相馬市小高区

 東京電力福島第1原発事故で被災した住民の生活再建は進んでいない。その理由の一つに原発事故の損害賠償の遅れがある。住宅や宅地の財物賠償の請求はようやく本格化してきたが、田畑や山林の財物賠償はいまだ基準すら示されず、避難者が自らの将来を描けないのが現状だ。福島第1原発の廃炉作業で汚染水などの問題が相次ぐ中、「戻れない」と選択した住民の立場にも十分に配慮した賠償実現が求められる。

相次ぐ賠償の請求開始遅れ 田畑や山林は先送り


 要介護者の上積み、いまだ基準なし
 東電復興本社代表の石崎芳行副社長は8月29日、東電が特別事業計画に8月と明記していた田畑の賠償請求開始が約3カ月遅れるとの見通しを示した。対象市町村などとの調整に時間を要しているためで、併せて9月としていた山林の賠償時期も先送りした。
 賠償の請求開始が遅れている事例はほかにもある。東電が5月に方針を明らかにした要介護者の精神的賠償の上積みも、公表時期とした6月から2カ月以上が経過した今も基準すら示されていない。
 「(対象者の)要介護認定の時期を確定する方法に時間を要している」(石崎代表)ことが理由だという。東電は要介護者への賠償上積みを、裁判外紛争解決手続き(ADR)による和解で認められる事例が多いことから判断した。しかし現在は基準公表の時期も不透明となっている。
 古里での生活を取り戻せない避難者にとって、新たな生活に踏み出すための生活再建資金は東電からの賠償金が頼りだ。賠償が遅れればそれだけ生活再建も遅れる。相次ぐ賠償の遅れに、被災者からは東電の見通しの甘さだけではなく「東電の危機感のなさの表れだ」との声も上がっている。

 請求手続き「迅速化」進まず 東電福島復興本社
 田畑や山林の財物賠償など福島第1原発事故の賠償請求開始の遅れが目立つ中、実際の賠償請求手続きの迅速化も進んでいない。
 東電は今年1月、賠償の迅速化などを目的として福島復興本社を設置した。「約1万人の体制」(東電)で対応しているが、賠償手続きに要する時間に大きな変化はない。東電が7日から数週間とした請求書類の確認や支払い手続きの「目標」はクリアしているものの、法人や個人事業主などでは、復興本社設置前よりも賠償支払いの手続きに時間を要している事例もある。
 未請求者への対応など一部は復興本社設置後に充実された。ただ、賠償の迅速化については田畑や山林の賠償基準公表の先送りなども含め、復興本社を設置した効果は見えず、より一層の取り組みが求められる。
(2013年9月4日 福島民友ニュース)



 

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