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小松知未氏に聞く 福大うつくしまふくしま未来支援センター

小松知未氏に聞く 福大うつくしまふくしま未来支援センター

 県内の果樹農家と共に農業経営の再生などに取り組む福島大うつくしまふくしま未来支援センターの小松知未(ともみ)特任助教(30)=写真=に、本県農業の再生と風評被害の払拭(ふっしょく)に向けた課題などを聞いた。

 ―贈答用のモモなどを生産する果樹生産グループを支援しているが。
 「正しい対処をすれば一定程度、顧客は戻っている。買い控えていた人に(活動広報の)パンフレットを送るなどの取り組みに成果があった。完全に消えた顧客は1、2割。ただ、顧客に直接アプローチせず、半分を失った人もいる」

 ―風評被害の現状は
 「顧客のタイプで違うが、震災前に比べ、県産農産物は市場流通の場合、高値は普通通り、中値は少し落ちるといわれている。特に底値が大きく下がる。出荷時期が重なり他産地と競合すると、“買いたたき”も含め安価で流通してしまう。今年も(その流れを)止めることができない」

 ―理由は。
 「産地側は在庫を抱えられず、取引先を減らさないため買いたたきを強いられる。本県産は(放射性物質検査を)一番実施しており、業者にとっても安全でないものをつかまされるリスクが一番低い」

 ―解決策は。
 「市場流通へのアプローチは難しい。私たちが言っているのは全国統一の認証が必要だということ。『福島だけ特別』との状況を脱しなくてはいけない。全国統一の認証で、福島は(検査が)進んでいるという印象を与えなくてはならない」

 ―不安を抱く人の信頼を回復するには。
 「社会心理学の専門家によると、風評は『重要性』と『曖昧性』の掛け算で成り立つ。農産物は口に入るものなので重要性は高く、曖昧な部分を解消することが大事。産地の詳細な土壌の状況を把握し、全生産者のデータを見えるようにすることが必要だ」

 ―今後、進むべき道は。
 「逆境を強みに変えなければならず、先を見据え、産地本来の力を高めることが不可欠。震災前の価格を取り戻すには(不確定な)市場の動向が左右するが、市場への広報などより(農産物の)高品質化を目指す現場や人を支えていくことが大事だ。県の検査体制も整い、消費者の『福島の農産物は安全なのか』という問いにも答えられる状況になった。次の一手、核になる部分をどう育てるかという時期ではないか」
(2013年9月6日 福島民友ニュース)



 

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