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【南相馬・小高】目標の時期は定めず

南相馬・小高

荷台に乗り、大型トラックのさびを落とす作業に汗を流す広田さん=南相馬市小高区

 南相馬市の避難区域には、震災直前の2011(平成23)年2月末現在、4151世帯、1万4269人が居住していた。内訳は全域で避難指示が続く小高区が3771世帯、1万2834人、原町区が380世帯、1435人。
 市は住民帰還の目標時期を明確には定めていない。市の担当者は帰還に向けた課題として、特に除染の遅れを挙げる。また、医療機関や商店の再開、交通基盤の整備なども帰還への条件となる。
 避難区域での事業再開では、今月3日現在で、48事業所が避難指示解除準備区域での再開を市に届け出た。小高区が46事業所、原町区が2事業所となっている。
 市は昨年6、7月、避難区域の全世帯主を対象に帰還の意思などを問うアンケートを実施した。回答があった2204世帯のうち、「震災前の地域に戻りたい」は955世帯(43%)、「戻りたくない」「戻らないと決めている」は464世帯(21%)だった。 

 「仕事で嫌なこと忘れる」 事業再開・広田さん 
 避難指示解除準備区域の南相馬市小高区藤木。人通りが少ない道路沿いの工場から金属音が響く。広田富雄さん(62)は避難区域が再編された昨年4月16日に板金塗装業を再開し、避難先の同市鹿島区から毎日、工場に通っている。「避難指示が解除された時に仕事をしていないとお客さんが離れる」。将来を見据え、作業する手に力を込める。
 再開後の1年間で受注数は約10件。震災前の月15件とは比べるべくもない。この半年間を振り返っても「人の往来は少なく、復興は実感できない。時間が立つにつれ、住民の事業再開も帰還も難しくなるのでは」と警鐘を鳴らす。自宅は震災で損傷し、買い替えが必要な状況。「避難指示が解かれた後の生活にも不安は多い。仕事をしている間は嫌なことを忘れられる」と笑う。
 工場は1979(昭和54)年の創業。観光バスなどの大型車両でも受け入れられるように屋根の高さは約7・5メートルにした。一時は別の場所での再開も考えたが、自慢の工場の代わりは見つからなかった。
 「一時帰宅で通りかかった顔見知りと話すのが何よりの喜び」と広田さん。「(工場を)やってるんだね」の一言に何度も励まされた。「小高が元通りになるのは難しいかもしれない。ただ、自分はここで生活していきたい」。力強い声で言い切った。
(2013年9月11日 福島民友ニュース)



 

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