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日大工学部・長林久夫教授に聞く 想定超えること前提に

日大工学部・長林久夫教授に聞く 想定超えること前提に

「想定を超えることを前提とした対策が必要」と語る長林教授

 本県沿岸の海岸堤防の新基準設定などに尽力した長林久夫日大工学部教授(66)に、復旧に向けた現状や今後の課題を聞いた。

 ―津波被害を受けた沿岸部の復旧状況は。
 「原発事故の被災地域は遅れるだろうが、堤防は2015(平成27)年度に一部完成する予定だ。数十年から百数十年に一度の規模の津波を想定しているが、東日本大震災のような『千年に一度』の津波にも対応するため防災緑地などによる多重防御を基本としている」

 ―堤防、防災緑地の整備で対策は十分か。
 「最大クラスの津波に対応する堤防を造ったとしても『津波が越えない』という保証はない。土地利用の観点でも、漁業者が漁港などに立ち入り仕事をすることを考えれば、堤防があっても避難誘導などの対策は不可欠。日本の家屋は水深2メートルで被災するといわれる。想定を超えることを前提とした土地利用や行政によるソフト対策が必要だ」

 ―集団移転なども計画される中、懸念されるのは。
 「災害の風化だ。被災者が3代、4代となれば利便性や土地の安さなどから堤防周辺が再び開発され、危険性をはらんでくる。行政はソフト面だけではなく、災害危険地域の指定と条例を併用した未然防止と防災体制の構築を求められるだろう。風化を防ぐには遺産や遺構のような、目に見える形で残すのも一つの手段だ。また、将来的には海岸の再生にも取り組まなければならない」

 ―津波の被害を受けた沿岸部の復興に向けて。
 「復興に向けての核となるのは、その街の文化や伝統で、それらは今こそ、残しておかなければならない。地域住民と行政が議論を重ねながら、特性を生かした地域を再構築していくことが大切だ」

 【プロフィル】長野県出身。日大大学院工学研究科修士課程修了。2000(平成12)年から土木工学科教授。県環境審議会長も務める。

(2014年9月7日 福島民友ニュース)



 

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