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個人推計「過小評価」を懸念 子どもの「定数」提示も課題

個人推計「過小評価」を懸念 子どもの「定数」提示も課題

 政府は、避難指示解除を見込んだ東京電力福島第1原発事故の復興指針で昨年12月、帰還住民の健康対策として実際に一人一人の被ばく線量を把握し、測定値に応じて被ばく低減や健康管理を進める対策を重視する方針を打ち出し、空間放射線量から一律に年間の積算被ばく線量を推計した従来の手法から転換した。
 新たな評価方法は従来の推計値と比べ、推計した被ばく線量が数分の1に下がる傾向が分かっており、住民は「被ばく線量を過小評価されるのではないか」という新たな懸念を招きかねない。
 また指針では、除染の長期目標として積算被ばく線量は年間1ミリシーベルト以下を引き続き目指すことも明記したが、除染の効果や放射性物質の自然減衰により年間1ミリシーベルトの水準にまで下がらなくても帰還を促されるという疑念が残っている。
 政府は4月、田村市都路地区、川内、飯舘両村で測定した空間線量の実測値を基に、帰還住民の生活行動を想定して算出した年間追加被ばく線量の推計を発表した。このうち川内、飯舘両村では、屋外で活動する時間が長い農林業、屋内にいる時間が長い無職の高齢者や教職員など想定した五つの生活パターン全てで除染の長期目標とする「年間1ミリシーベルト」を超えた。
 両村の推計値は、川内の場合、農林業が1.3〜5.5ミリシーベルト、教職員・高齢者が1.1〜2.1ミリシーベルト。飯舘では、農林業が7.1〜17ミリシーベルトと放射線管理区域の設定基準となる5ミリシーベルトを超え、最大では、避難指示の目安となる年20ミリシーベルト近い水準となった。教職員・高齢者は3.8〜16.6ミリシーベルトだった。
 都路地区では、屋内中心の生活パターンでは年1ミリシーベルトを下回る0.6〜0.8ミリシーベルトだったが、屋外の農林業では0.9〜2.3ミリシーベルトと長期目標を上回った。
 政府の実測値に基づく個人の年間被ばく線量の推計では、空間線量に「0.7」の定数を掛ければ、個人の被ばく線量を推計できると結論付けた。ただ定数は成人男性を想定し、放射線の影響がより多く受ける子どもの定数を示しておらず、子どもを想定した推計値の提示が課題となっている。
 「0.7」については、個人線量の推計に伴い空間線量を測定した田村市都路地区、川内、飯舘両村の空間線量と、個人線量計(ガラスバッジ)のそれぞれの実測値を用いて相関関係を調べた。個人の被ばく線量が空間線量より低く見積もられる理由について内閣府は「筋肉や皮膚には放射線を遮る効果がある。人体全体が受ける影響を加味する必要がある」としている。
(2014年9月11日 福島民友ニュース)



 

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