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会津大教育研究特別顧問・角山茂章氏に聞く 全て後手に

会津大教育研究特別顧問・角山茂章氏に聞く 全て後手に

「想像力が欠如しており、組織的にやり方を変えるべきだ」と指摘する角山氏

 県原子力対策監で、廃炉作業を監視・評価する原子力規制委員会の有識者検討会のメンバーも務める角山茂章会津大教育研究特別顧問(70)に、福島第1原発の汚染水対策の現状や廃炉に向けた課題などを聞いた。

 ―現状では汚染水、地下水対策が最重要課題だが。
 「地下水がたまっている2号機海側の地下道(トレンチ)の凍結止水工事は4月に作業を開始したが、まだ凍っていない。トレンチとタービン建屋の接続部周辺の水の流れが原因とされるが、本来なら水流がある中でどう凍らせるかを事前に計算すべきだった。凍らないと気付いてから解析しても遅い。全てが後手に回っている」

 ―原因は。
 「基本的に想像力が欠如している。放射線量などの問題で、想像力ある人が前線から少なくなっており、今後も人材は減るだろう。だからこそ組織的にやり方を変えるべきで、用意周到に取り組む必要がある」

 ―長期的には炉内の燃料の取り出しなど大きな課題が山積している。
 「ロボット開発が不可欠だ。作業員の被ばくの問題を考えれば、ロボットによる遠隔操作が必要になる。原発周囲にロボット開発のベンチャー企業をつくり、優秀な若い人がロボット開発に取り組む仕組みを作るべきだ。真剣勝負で取り組まなければ駄目だ」

 ―現場で何が起きているか、情報公開も課題になっている。
 「昨年8月、南相馬市に放射性物質が飛散していた問題も、東電は今年7月になってがれきの撤去作業で飛散した放射性物質の推計結果を公表した。なぜ1年近くかかるのか。フランスはわずか1週間で推計した。住民の立場になれば、暫定値でも良いのですぐに情報を公表すべきだ。住民に寄り添う姿勢がない」

 【プロフィル】東京都出身、東大理学部卒。原子炉工学が専門。2002(平成14)年に会津大教授。理事長・学長を経て、4月から教育研究特別顧問。

(2014年9月11日 福島民友ニュース)



 

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