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原発災害・「復興」の影
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除染の利権狙う「県外暴力団」 一般人装い潜入、資金源に

除染の利権狙う「県外暴力団」 一般人装い潜入、資金源に

福島市で27日に開かれた暴力団等反社会的勢力追放大会。県警は関係機関と連携し、除染などからの暴力団排除を進めている

 「顔の割れた地元の人間が入り込むのは難しい。ただ県外の暴力団は比較的うまくやっているようだ」。県内の暴力団事情に詳しい元組員神野虎男(45)=仮名=は、除染などの復興事業への参画を狙う県外暴力団の動きを証言する。

 作業員の身元確認困難
 原発事故後、除染や企業への補助金など本県に巨額の復興予算が投じられ、利権を狙って暴力団が動きを活発化させていると指摘されている。特に除染作業は下請け関係が何層にも重なり、作業員の身元を厳格に確認するのが難しい。神野によると、県外暴力団はこうした状況を利用、一般企業を装った「企業舎弟」を使って事業に潜り込むことなどを画策している。また、別の関係者は「県外で労働者を集め、ピンハネしてもうける手段もあるようだ」と内情を明かす。
 神野は最近、外食の際に近くのテーブルに座った除染作業員らしき関西弁の男たちが、暴力団の「業界用語」で話すのを聞いた。「大きな組になるほど地元の人間ともめ事を起こさないよう統制している。一般人には暴力団員とは分からない」と指摘し、こう推測する。「除染の仕事が少なくなっても原発の高線量エリアの仕事がある。短期間だから正体はばれにくい」

 住民の不安消えず迷惑
 動きが水面下になるほど、暴力団と一般人との接点は少なくなるが、住民の不安は消えない。長年暴力団排除運動に取り組む須賀川市の飲食業本間保(62)は考える。「問題が起きて除染作業員が組員と分かった時に、全体のイメージが悪くなる。真面目にやっている人たちにはいい迷惑だ」
 県警は4月末までに、復興関連事業に介入した暴力団組員や関係者49人を摘発。表面に表れない暴力団の動きを注視し、排除に全力を挙げている。地域全体で目を光らせ、暴力団を監視するため県内18地区に新たな防犯組織もつくって情報共有を進めている。
 県警刑事部長の佐々木賢(59)は「県外から来ている人のほとんどが、福島の復興のために真面目に働いている人」と前置きし、語気を強める。「全国の暴力団が、復興事業への介入を狙っているのも事実。復興予算が暴力団の資金源になることは絶対にあってはならない」(文中敬称略)

(2014年5月31日 福島民友ニュース)



( 2014年5月31日付・福島民友新聞掲載 )
 

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