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交渉難航「地元のせい」 石原環境相発言の裏に政府思惑

交渉難航「地元のせい」 石原環境相発言の裏に政府思惑

「金目」発言で謝罪に訪れた石原環境相(右)。ただ、施設設置をめぐり、お金の問題が焦点となっているのも事実だ=6月23日、県庁

 「失言の背景には、中央が『県や大熊、双葉両町が金目(かねめ)のことばかり要求するせいで交渉が進まない』という雰囲気をつくろうとしている動きがある」。環境相の石原伸晃(57)が先月、中間貯蔵施設設置をめぐり「最後は金目でしょ」と発言した問題。県のある幹部はこう推測した。
 知事の佐藤雄平(66)は先月23日、県庁に来た石原に「地域振興策についてもしっかりと迅速に回答を」と要求した。地域振興策は交付金など財政支援を指す。「金目」発言で謝罪に来た相手に「金目」を求めた。
 国と県、両町は、施設をめぐり水面下で交渉してきたが、表現に品がないものの「最後は金目」の話になるという認識は双方一致するところだ。
 県民の率直な反発の陰で県などは、石原発言をめぐり「(水面下の交渉で)地元から非常に高い要求が来ているが、とても応じられない」という趣旨の発言を政府側がしたと報じられたことの方に強く反発した。政府側は地元の要求が度を越している印象を世間に広めようとしていると、県側の目には映った。

 「金目示してからに」
 復興庁は、地域振興策として「極めて自由度の高い交付金」を用意するとしている。しかし、その規模は明らかにしておらず、県は「水面下の交渉など、ほとんど進んでいない」と憤る。「地元は高い要求などしていない。もし地元側がこういった線でと、ある程度の振興策や金額を国に伝えた場合、国がそれさえやればいいと受け取ってしまう」。別の県幹部は交渉の難しさを明かし、こう続ける。「最後は金目という発言は、しっかり金目を示してからにしてほしい」

 「復興のため」と忍耐
 大熊町から会津若松市に避難する行政区長根本充春(74)は「施設候補地の住民には、賠償や補償をめぐって周辺の県民から『金をもらいすぎ』などと言われても、『復興のため』と耐えてきた思いがある」と明かす。「しかし、それも石原発言で吹き飛んだ」と根本は思う。「今までは(施設の早期設置を求める)県民に遠慮があったが、もう開き直ってもいい。『どうせ金だ』と言われるなら徹底的にやってやる」。やりきれなさが、つい語気を強くさせた。(文中敬称略)

(2014年7月4日 福島民友ニュース)



( 2014年7月4日付・福島民友新聞掲載 )
 

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