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【 高齢者 】
【 下 】

年金生活ぎりぎり


介護現場に厳しい現状

 阿武隈山系の中山間地域にある鮫川村は人口に占める65歳以上の割合が30%を超える。高齢化が進む村で、年金や介護などの国の社会保障政策は村民生活に大きく影響する。

 機能回復訓練を受けるため村内の民間デイサービスに定期的に通う星弘さん(93)は「年金だけでは生活していけない」と話す。星さんの収入は国民年金と農業者年金のみ。生活費や税金などを支払うだけでぎりぎりの収入という。機能回復訓練にかかる介護サービス利用料をひねり出すため「野菜を作って自給自足している」と、切り詰めた生活を送っている。

高齢者
施設に集まり機能回復訓練をこなすデイサービス利用者=鮫川村
 村で訪問ヘルパーに従事する矢吹さつきさん
(61)は「高齢になれば体力がなくなる。どんなサービスを利用するにもお金が必要になる」と高齢世帯の負担増を指摘。国の介護保険制度について「(制度の充実を)口先でやる、やると言うだけでなく本当に実行してほしい」との思いを抱く。

 不況も介護の現場に暗い影を落としている。塙町の特別養護老人ホームで事務長を務める金沢邦芳さん(60)は、厳しい現状を明かす。同ホームの1カ月の居住費は5万円強から。「景気低迷で息子の職場が倒産し、退所した入所者がいた。年金だけでは居住費の支払いが難しく、入所を見送る人もいる」。

 金沢さんは、ホームの人件費削減によるサービス低下といった悪循環を現場で感じることも多い。「従事者の人件費に充てる介護報酬も見合わない」と指摘、「現場を実際に見て、福祉・年金政策を考えてほしい」と政策の充実に注文を付ける。

 過疎・中山間地域での高齢化の進行は「老老介護」という新たな課題も生み出している。「高齢世帯がますます増える。これから高齢者福祉・介護にどんな政策をとってくれるのか。待つしかない」と話すのは、鮫川村高齢者総合福祉センター事務局長の須藤好さん(60)。
 地方の声に政治がどうこたえるのか。8月30日投票の衆院選で審判が下る。

−−− 2009年7月16日付〔福島民友新聞連載掲載〕 −−−
 
 

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