小選挙区制になり4回の激戦すべてに勝利、自民の議席を守ってきた根本匠氏が、民主の小沢一郎代表代行が千葉7区からの「国替え」で送り込んだ太田和美氏を迎え撃つ。
根本氏は党政調副会長として4度にわたり政府予算編成を後押ししてきた。陣営は今回の選挙を「政権選択ではなく、2区に必要な衆院議員は誰かを問う政治家選択の選挙」(陣営幹部)ととらえ、党内でも政策通と知られ、実績を積み重ねてきた根本氏の政治手腕をアピールする構え。
根本氏は多忙な党務で地元に戻る機会が少なかったが、解散から投票までの選挙戦が40日間の長丁場になったことを「地元に戻れないデメリットを解消するチャンス」(後援会幹部)と前向きにとらえる。
8月18日の公示日まで集会所単位でミニ集会を集中開催し、組織を総動員して支持層を固める方針。初めての女性候補との戦いを意識し、26日に郡山市で女性の集いを開くなど、女性票の取り込みも重点的に進める。公明との連携を強める考えで、一層の得票上積みを狙う。
太田氏は昨年9月に「国替え」が決まってから時間があれば選挙区に入り、支援者回りや街頭活動を続けてきた。解散翌日の22日から国政報告を兼ねて車で選挙区内を巡り、玄関先に出て手を振る支援者の姿に「顔と顔でつながっている人が増えてきた。期待の高まりを感じた」との感触を得た。
前回選挙後の県議補選、統一地方選を経て二本松市と安達郡に民主の県議2人が誕生。陣営は、前回衆院選で2区に出馬した民主の参院議員増子輝彦氏の後援会と合わせて拡大した民主勢力で選挙活動を充実させたい考え。
さらに党県連の重点選挙区になり連合福島、国民新党の推薦を受け郵政関係者の動きが活発化していることも「追い風」ととらえる。マニフェスト(政権公約)の浸透を図りながら変革を望む市民意識を後押しし政権交代実現を目指す。
大票田の郡山市で4月に行われた市長選では、同市の保守勢力が現職、新人に分かれて激戦を展開。市長選後のしこりが衆院選に影響を与える懸念を示す声も上がる。根本陣営は、過去の市長選で現職と争った自民の前県連幹事長佐藤憲保氏を選対本部長に据え「市長選と衆院選は別。影響はない」と強調。太田陣営は市長選の影響を意識せず、市長選で分かれた保守勢力や中立的な立場を取る有権者の取り込みを狙う。
また県内でも浮動票が多いとされる選挙区だけに、両陣営とも浮動票対策に戦術を練っている。
諸派の幸福実現党の酒井秀光氏は、郡山市を拠点に企業回りや街頭活動を進め支持獲得を模索している。
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