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政権選択を問う衆院選は、県内でも強烈な風が吹き抜けた。「追い風」を受けた民主は5小選挙区で議席を独占。新人の石原洋三郎さん(1区)が国政初挑戦で自民前職との激戦を制し、国替えで注目された太田和美さん(2区)も快勝した。玄葉光一郎さん(3区)は貫禄(かんろく)の勝利、渡部恒三さん(4区)は県内最多の連続14選、吉田泉さん(5区)は小選挙区初勝利を飾り、それぞれ悲願の政権交代実現へ喜びをはじけさせた。
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石原さん、国政初切符 「よくやった」支持者歓喜
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1区で初の民主議席を獲得し、祝福の花束を受けた石原さん=30日午後9時30分、福島市
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「洋三郎よくやった」。福島市の石原洋三郎さんの事務所に集まった支持者は、民主として初めて1区の議席を獲得した若き挑戦者をたたえた。
二人三脚で支持を訴えてきた選対本部長の金子恵美参院議員らと万歳三唱で喜びを分かち合った石原さん。支持者らに「政権交代して国民生活が良くなることを第一目標とする」と力強く抱負を語った。
石原さんは、衆、参院議員を務めた石原健太郎さんの三男で、衆院選を2度戦った現県議石原信市郎さんの弟。「政治一家のホープ」として福島市議時代から将来を嘱望され、政権交代を懸けた選挙戦の候補者として擁立された。
一昨年10月の出馬表明からは街頭に立ち続け、地道に政策を訴えた。石原さんは日焼けした顔で支持者と握手を交わし、「頑張ります」と国会での活躍を誓っていた。
(2009年8月31日 福島民友衆院選ニュース) |
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太田さん「国替え」成功 1年間の戦い結実
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国替えで当選を果たし、支持者らの前で宝船を掲げる太田さん=30日午後8時45分、郡山市
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太田和美さんの郡山市の事務所には開票前から多くの支持者が集まり、午後8時すぎ、テレビで早々と当選確実の速報が流れると、事務所の内外でどよめきと歓声、拍手が沸き起こった。
「政権交代」を訴え、千葉7区から国替えして臨んだ選挙戦。昨年9月の立候補表明から約1年にわたり、名前と顔の浸透から政策のアピールまでゼロから続けてきた休みない戦いがようやく実を結んだだけに、陣営の喜びもひとしおだ。
午後8時15分ごろ、拍手に迎えられ支持者の前に現れた太田さんは、支持者らの万歳に深々と頭を下げて応え「長期政権にあぐらをかいた国民不在の政治を変えたいという思いがみなさんに届いた結果。生活者の視点に立ち、国民の声が国政に届く政治をしたい。福島2区から政権交代の第一歩を踏み出すことができた」と、謝辞を述べた。
(2009年8月31日 福島民友衆院選ニュース) |
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玄葉さん、信念の6選 新しい政治生活へ決意
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支持者に花束を掲げ、6期目当選の喜びをかみしめる玄葉さん=30日午後8時30分、須賀川市
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玄葉光一郎さんの須賀川市の事務所は、テレビの開票速報が開始とほぼ同時に当選確実を報じると、歓喜の熱気に包まれた。
支持者から拍手が起こる中、事務所に現れた玄葉さんは、政権交代への確かな手応えをかみしめるように笑顔で万歳三唱した。
初当選から16年間、「国民が政権や政策を選択できる政治の実現」を目指し、自らの信念を貫いてきた玄葉さん。選挙戦では民主への追い風を強めるため、全国を応援に飛び回り、政権交代を訴え続けた。
悲願の政権交代が確かなものとなり「歴史的な出来事。変化で生まれたエネルギーで国の仕組みをつくり直す」と言葉に力を込めた。
新内閣での閣僚や党の主要ポストへの起用が期待されるだけに、支持者の熱も上がるばかり。玄葉さんは握手攻めに満面の笑みで応えながら、新しい政治生活への決意を新たにした。
(2009年8月31日 福島民友衆院選ニュース) |
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恒三さん貫禄14選 悲願達成、声つまらせ
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衆院選14期連続当選を果たし、両手を上げガッツポーズする渡部恒三さん=30日午後8時40分、会津若松市
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「おおー。もう出たか」。投票終了直後に当確が伝えられると、渡部恒三さんの事務所は拍手とどよめきに包まれた。二大政党による政権交代という長年の悲願を達成した渡部さんは「政治の道ただ一筋に生きてきてよかった」と、声をつまらせた。
「国民の一票によって政治が決まる二大政党制を」という決意の下、1993(平成5)年に自民を離党。党最高顧問として、民主を自民に代わる政権政党に成長させた。政権交代の風が吹いた選挙戦では「鳩山(由紀夫代表)と岡田(克也幹事長)を育てるのが私の仕事」と、新政権での指導力を強調、幅広い層から支持を集めた。
自由民権運動の先駆者河野広中(三春町出身)に並ぶ衆院選14連勝を果たした渡部さんは「政権交代して良かったと思ってもらえる政策を鳩山内閣にさせる」と、力強く宣言した。
(2009年8月31日 福島民友衆院選ニュース) |
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吉田さん、選挙区初当選 勝利宣言、固い握手
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小選挙区での初勝利を飾り支持者に花束を掲げる吉田さん=30日午後8時25分、いわき市
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いわき市の吉田泉さんの事務所では、初めてつかんだ小選挙区での勝利に、詰め掛けた支持者の歓喜の輪が広がった。過去2回は比例東北での復活当選だった。吉田さんは「皆さんのおかげで(小選挙区で)勝てた」と感無量の面持ちで万歳した。
民主への追い風を背に、国民新党、社民党、郵政政策研究会の応援がさらに吉田さんを後押し。無党派層への浸透を図るため、ミニ集会を開催する屋内型よりも、街頭で政策を訴える屋外型に比重を置いた選挙活動を展開。マニフェストとともに「政権交代」を強調し、幅広い層から支持を集めた。
吉田さんは、政権担当への意気込みや、マニフェスト実行への熱意、3期目の中堅議員としての覚悟をにじませながら勝利を宣言。支持者らと握手を交わすと、各地区の支持者らのもとへと急いだ。
(2009年8月31日 福島民友衆院選ニュース) |
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吉野さん唯一復活 3区国替え、支持者に感謝
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比例で復活当選し、こぶしを突き上げて支持者に応える吉野さん=30日午後10時、須賀川市
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小選挙区での敗北と自民惨敗を伝えるテレビの速報が流れる中、吉野正芳さんの比例東北での当選確実が早々と伝えられると吉野さんの須賀川市の事務所では拍手が起こった。
自民のコスタリカ解消で、5区から3区に「国替え」して臨んだ選挙。比例名簿1位には入ったが、陣営幹部は「1位に恥じない票を」と、地域をくまなく回る地道な「どぶ板選挙」で票の掘り起こしを図った。また、環境副大臣として環境政策の展望や実績を粘り強く訴え、固い地盤を誇る民主前職に挑んだ。
吉野さんは厳しい戦いを振り返り「皆さんの支えで当選できた」と支持者に謝辞。一方、同党県連会長の立場で、比例票の行方や惜敗率を注意深く見守った。
(2009年8月31日 福島民友衆院選ニュース) |
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山口さん比例単独当選 「福祉に有意義な社会を」
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初当選を果たし、高らかに万歳する山口さん(中央)=30日午後10時50分、郡山市
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郡山市の太田和美さんの選挙事務所で、支持者らと比例東北の状況を見守っていた、民主新人の比例単独候補の山口和之さんは、当選の速報が入ると大きな歓声で祝福された。
社会のあらゆるハンディキャップを取り除き、人々が暮らしやすい世の中をつくりたいとの思いで立候補。理学療法士の立場から政権交代を訴えてきた。
喜びに沸く支持者とともに力強く万歳三唱した山口さんは、「保健と医療と福祉の専門家として有意義な社会づくりに努めたい」と感謝の言葉を述べ、笑顔で支持者らと握手を交わした。
(2009年8月31日 福島民友衆院選ニュース) |