「会津若松市長選」告示 “観光復活”を望む有権者
震災と原発事故からの会津若松市再生の進路を問う市長選が実戦入りした31日、同市には「お願いコール」が甲高く響き渡った。市長選に立候補した元県議の室井照平候補(55)、元河東町長の栗城春夫候補(60)の2人に加え、同日告示された市議選に名乗りを上げた32人も選挙カーを走らせ、連呼の声を交錯させた。原発事故の暗い影が尾を引く中、「観光復活」を望む有権者は多い。会津若松の新たなかじ取り役を誰が担うのか、有権者の選択が注目される。
同市では、東京電力福島第1原発事故により役場機能を移した大熊町の約1200世帯、約3600人が避難生活を送る。看護師女性(56)は新しいかじ取り役として「避難住民と市民が安心して暮らせる市政を」と切望、「県や他の市町村との連携をしっかり取り、市民の窓口としての役割を果たしてほしい」と訴えた。
原発事故で一番の大きな影響を受けたのが、基幹産業の観光。薬剤師の遠宮賢二さん(55)は「多くの人に、会津に何度も足を運んでもらえるようトップセールスができそうな市長を選びたい」と語る。飯盛山ふもとの土産店「會津幸泉小法師」の店長渡部由広さん(24)は「市民の力だけでは会津の元気を取り戻すことはできない。全国で会津をアピールしてもらい、誘客を図ってほしい」と期待を込める。
(2011年8月1日 福島民友ニュース)
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