佐藤県政への影響 県議選結果で変わる合意形成
県議選の結果は、佐藤雄平知事の県政運営にどのような影響を及ぼすのか。最大の変化は共産が5議席を得て、自民、県民連合とともに交渉会派入りすること。他会派からは「議会の合意形成に変化が出てくる」との声が聞かれる。震災と原発事故が県民生活に深刻な影響を及ぼす中、復旧・復興を最優先とした佐藤県政と方向性こそ全会派同じだが、廃炉問題など、エネルギー政策を中心に会派間で意見が異なる問題も多く、共産の議会運営への存在感が増すことになる。
最大会派の自民は、単独過半数に届かず、県民連合に属さない無所属議員や公明との連携が議会運営の主導権確保の条件。無所属議員の動向次第では、単独過半数30議席の確保も見えてくる。知事選で佐藤知事を支持した自民だが、県の復旧・復興施策に不満を訴える議員がおり、佐藤県政に「是々非々」で臨む姿勢が鮮明になる可能性がある。
佐藤県政の与党・県民連合は、会派運営を支えた民主党現職の落選が相次ぎ、体制の再構築を迫られる。佐藤県政にとっても自民や公明など県民連合以外の会派との「距離感」をどう詰めるか、調整力が試される。県民連合を構成する民主、社民両党間の政治路線の違いも課題として残る。
佐藤知事の地元・南会津郡で民主現職が議席を失ったことは、少なからず暗い影を落とした。
(2011年11月21日 福島民友ニュース)
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