自民・5区の調整課題 県内選挙区、民主・空白区擁立鍵
年内の衆院解散・総選挙を視野に入れた与野党の探り合いが進んだ11日、県内政党でも情勢を探る動きが出始めた。自民党の候補者選びは福島5区を地盤とする現職2人の動向が焦点となる。最大野党の民主党は空白区の福島1、2、4区への候補者擁立が急務だ。
自民で公認候補の前提となる5区支部長は坂本剛二氏。2012(平成24)年の前回で「原発事故災害復興枠」として比例中国に回った吉野正芳氏も、5区から出馬する意向を示している。小選挙区と比例代表の候補を順番に入れ替える「コスタリカ方式」が解消されて以降、保守分裂を避けるために両者間の調整が課題となっており、解散が現実味を帯びれば両陣営のつばぜり合いが再燃する可能性がある。県連幹部は「5区の候補擁立が課題だ」と述べ、年内選挙を想定して党本部と調整を進める考えを示した。
自民はほかに、1区は亀岡偉民氏、2区は根本匠氏、3区は菅野佐智子氏(比例東北で復活)、4区は菅家一郎氏の各現職が公認候補として立候補する見通し。
一方、民主党は前回の県内小選挙区で唯一議席を獲得した3区・玄葉光一郎氏の立候補が確実。比例東北で復活した吉田泉氏も5区から立候補を予定するが、1、2、4区は候補者不在が続く。1区は国会議員経験者を推す声があるが、2、4区は調整が進まず、擁立が難航する恐れがある。県連関係者は「短期決戦もあり得る。擁立を急がなければ」と焦りを募らせる。
ただ、4区は維新の党の小熊慎司氏が出馬する公算が大きく、民主関係者の間には、小熊氏が元衆院副議長の渡部恒三氏の有力支援者と近いことから「野党間の選挙協力が考えられる」との見方も出ている。
このほか1区では、元衆院議員で現在、無所属の石原洋三郎氏がみんなの党に入党する方向で調整し、立候補を検討している。
(2014年11月12日 福島民友衆院選ニュース)
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