前職2氏、難しい選定 党本部「勝てる候補前提」
福島5区の公認決定を先送りした自民党。同区からの立候補を表明した5区支部長の坂本剛二氏(70)、吉野正芳氏(66)=比例中国=の前職2氏をめぐる候補者調整だけに、地元いわき総支部、県連、さらに一任を受けた党本部も決めあぐねている状況が続く。
「支部長にはこだわらない。勝てる候補が前提だ」。党本部は今回の候補者選定の方針を掲げる。自民の候補者選考は小選挙区と比例代表の候補を選挙ごとに入れ替えるコスタリカ方式を解消後、「支部長イコール候補者」が定着した。ただ、茂木敏充選対委員長は25日の会見で全国の1次公認について「党、日本を担う人材を人選した」と明かした。安倍政治の信を問う今選挙で、党本部は前提を崩して人選を進めている。
「仮に支部長を選挙区候補にしない場合は、候補者選定の前提を覆すことになる」と県連幹部。坂本、吉野両氏の選挙区からの出馬意思が強い中で、候補者の選定では、候補者の政治姿勢、選挙区情勢、党員確保などの党活動への貢献度などを総合的に判断することになるという。
いわきの自民支持層は、複数の有力政治家を輩出した中選挙区時代から、諸々の選挙ごとに大きく二つの勢力でせめぎ合ってきた。両氏の支持層も過去の市長選で、それぞれの別の候補を支援した経緯もあり、公認を決めきれない要因になっている。坂本氏の支部長としてのプライド、地元以外からの出馬で連続当選してきた吉野氏の思い。安倍総裁の判断が注目される。
(2014年11月26日 福島民友衆院選ニュース)
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