被災地に響くコール 有権者「地元の声、国政反映を」
第47回衆院選が公示された2日、県内の各選挙区は寒風が吹く中、選挙カーからの連呼が響き、有権者は師走選挙の幕開けを実感した。大票田の中心市街地で第一声を上げ、支持を訴える候補者たち。防寒着を着込み、街頭演説を見守る有権者たちは本県の復興の加速化や将来像への期待と不安を口にした。候補者は有権者の思いを受け止めながら、「お願いコール」に力を込めた。寒さが一段と厳しくなる中、14日の投票日に向けて舌戦は熱を帯びそうだ。
地震、津波、原発事故の複合災害に見舞われたいわき市と双葉郡を選挙区とする福島5区。候補者の顔触れは公示前日にようやく固まった。
初日の候補者たちは、それぞれ地盤の同市内を遊説。震災から間もなく3年9カ月になろうとする中で、復興道半ばの現状を踏まえ、復興施策の主張を展開した。津波の被害を受けた沿岸部や市内の仮設住宅を訪れる姿もあった。
正午前、ある候補者は同市の仮設住宅で演説した。耳を傾けた楢葉町の30代男性は「自分たちや地元の声が国政に届いていないんじゃないか」との不満を抱く。今回の衆院選では「当選を目標にしている人ではなく、地元の声を聞いて、いかに国政に反映させてくれるか」を見極めて投票する考えを示した。
JRいわき駅前では、午前に政党代表が演説した。人だかりの中で同市の女性(72)は「孫の将来を考えると心配がある。政治家にもっと頑張ってほしい」と話した。子育ての不安への対応策は若い世代が望む大きな課題。同市の主婦(24)は「補助などを含めて、子育て支援に力を入れてほしい」と将来を担う今の子どもたちのために汗を流す議員を求めた。
(2014年12月3日 福島民友衆院選ニュース)
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