政策発信は“低調” 衆院選、ネット活用は「親しみ」重視
衆院選としては今回が初となるインターネットを活用した選挙活動。各陣営は県選管に届け出たホームページ(HP)をはじめ、交流サイト「フェイスブック(FB)」、短文投稿サイト「ツイッター」を活用して情報発信に躍起だ。ネット解禁となった昨年の参院選以降、遊説日程の掲載や街頭演説の様子の紹介など、他候補と差別化する好機として工夫を凝らす。一方で、急な解散により候補者別のHPを用意できていない党もあるなど、利用に差も出ている。
「遊説写真に地元の人を多く写し込むと反響が多い」。県内小選挙区に立候補しているある陣営のネット担当者は、公示後数日の手応えを語る。陣営はネットに掲載する写真の効果に注目。親しみやすさを出すため、有権者と同じ目線の高さでの撮影を心掛けており「ひと工夫することでほかの候補者と差別化を図っている」と解説する。このほかHPに選挙の豆知識など、候補者に直接関わらない情報も掲載するなど、選挙そのものに対する関心を高めることに力を入れている。
ただ与野党問わず、FBなどで発信するのは遊説や演説会の開催予告などが中心で、昨年の参院選から傾向はあまり変わっていない。解禁当初は、ネットでの発信により候補者の政見に対する理解が深まるとの期待もあったが、ネットを通じた政策発信は依然として低調だ。ある陣営は「政見をしっかり見比べるなどネット選挙の定着には5〜10年はかかる」とみている。
一方、ネットをほとんど活用できていない陣営もある。ある党の県内小選挙区の候補者はいずれも自身のHPを選管に登録しなかった。担当者は「解散から公示までの準備期間が短く、候補者ごとのHP開設が間に合わなかった」と内情を明かす。一方で「本来ならやるべきだ。時間があればHPやFBを活用して選挙戦を展開したかった」と対応の遅れを悔やしがる。
(2014年12月9日 福島民友衆院選ニュース)
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