お粗末、福島市選管 未集計80票2日間放置、有権者怒り
有権者からの貴重な80票を結果的に放置し、「持ち帰り票」と扱った福島市選管の重大な不手際に対し、同市の有権者からは16日、非難する声が相次いだ。復興の早期実現や市民生活の向上を期待し、悩み抜いた末に投じた1票だけに、開票作業のずさんな票管理は選挙の適正な執行を信じて疑わない市民の心に波紋を広げた。
同市選管によると、見つかった投票用紙は機械で「疑問票」としてはじかれ、人の目で有効票か無効票かを判定するため、束にしてかごに入れていた。何らかの理由でかごが積み重ねられ、かごと別のかごの間に挟まれて見つけることができなかった。そのため、未集計のまま行方が分からなくなっていたという。同市選管は、小選挙区の開票率が95%を超えたころから80票少ないことに気付いていたという。
同市選管ではミスが続いており、選挙の度に繰り返される不手際に、市民からは「またか」「職員の緊張感が足りないのではないか」など批判の声が漏れた。
今回初めて投票した福島大経済経営学類4年の大橋耕次郎さん(21)は「熟考を重ねて投じた1票だっただけに、市選管の誠意のない行為は残念」と話した。無職大沼陽子さん(67)も「いろいろ悩んで投じた80票が無効になるようなことになれば、あってはならない。昔に比べて投票所の職員の緊張感もなくなっているように思える」と同市選管の姿勢を問題視した。
不手際の繰り返しに、選挙の執行能力や体質そのものに疑念を持つ声もある。自営業小宇佐昌彦さん(53)は「故意や、ミスを隠そうというような思いがあったのならば、1票を投じた有権者として絶対に許せない。大変悪質に思う」と早期の原因究明や再発防止を強く求めた。
(2014年12月17日 福島民友衆院選ニュース)
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