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みんな、期待集め躍進
県連組織の確立が急務
民主党が大敗し、与党の過半数割れとなった参院選の結果、「衆参のねじれ」がクローズアップされる中で、第三極としての期待票を集めたみんなの党の存在感が増した。今回の参院選で同党は、比例代表で県内から13万7568票を得て民主、自民両党に次ぐ県内「第3党」となった。
「組織でなく、有権者の純粋な思いが1票に託された」。比例代表に立候補し、同党で本県関係初の国会議席を得た県連代表の小熊慎司は初当選から一夜明けた13日、支援者へのあいさつ回りを続けながら13万票の重みをかみしめた。
同党は県連の事務所こそ置いたが、県内に確固とした組織がない。福島選挙区に立候補した菅本和雅は、支援を申し出たボランティアスタッフと運動を展開。選挙ポスターも遊説しながら掲示板に張るほど人手が不足した。菅本が得た9万3758票は、選挙応援で4度にわたり本県入りした党代表の渡辺喜美の後押しを受けての得票数だ。
「組織としての活動の在り方を考えなければ」。小熊は、県連組織確立の必要性を認識する。政党や議員が最も大切にする活動が、国民の意見や声を吸い上げる政務調査。議員が会津若松市を基盤にした小熊だけの県連では、吸い上げる意見の数にも限界がある。来春は県議選などの統一地方選があり、県連は党勢拡大のチャンスととらえ、公募などで候補者を擁立、当選させることで県内基盤を確立する考えだ。
党幹事長の荒井広幸が「反民主」を掲げて戦った新党改革は県内で4万2500票を挙げ、荒井再選の土台となった。公明党は重点候補横山信一の当選を目指し堅い組織票をまとめ、個人名で県内過去最多の5万9644票を獲得した。
ほかの既存政党にとっては厳しい結果が突き付けられた。共産党は選挙区候補と比例代表との連携で票の上積みを狙ったが、いずれも前回よりも票を減らした。県委員長の久保田仁は「消費税の増税反対で民主党の過半数割れに追い込んだが、党への票に結びつかなかった」と振り返る。
社民党は県内比例得票13万票余を目指したが3万2487票にとどまり、党勢後退に歯止めがきかない。県連幹事長の加藤雅美は「二大政党のはざまで厳しい選挙だった。みんなの党にも票が流れた」と述べ、明確な対立軸を示せなかったことを要因に挙げる。(文中敬称略)
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