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民主、与党の責任強調
陣営ごと戦術描く
「与党として責任のある現実的な政策を訴え、実現していくことを約束する選挙となる」。民主党が参院選マニフェスト(政権公約)を発表してから一夜明けた18日、県連幹事長の県議安瀬全孝は、初めて政権与党として国民の審判を受ける決意をにじませた。
民主県連は、選挙区に現職で経済産業副大臣の増子輝彦と新人で医師の岡部光規の2人を擁立、比例代表に県連重点候補として新人で前県議の中村秀樹を立てる。選挙区の戦いで県連は、組織力のある増子が大量に得票して2位の当選ラインを下げ、岡部の当選可能性を高める戦略を描く。
増子は後援会と連合福島、推薦団体で選対を組んだ。県連にとってはこれまでの国政選挙で最大規模の陣容。中には、対立候補となる自民現職にも推薦を出した団体もあるが、選対事務総長の古川洋一郎は「各団体の末端まで支持をお願いすることが必要」と、大所帯を引き締め、票を着実に積み上げる構えだ。
無党派層へのアピールに重きを置く岡部は18日、いわき市で街頭演説を繰り返した。若さと、医師として医療改革に取り組む姿勢をアピールする街頭演説中心の戦術を、選対本部長の県議宗方保は「空中戦」と表現し「見えない部分も多いが、勝つ気持ちで動き続ける」と語る。
戦術ですみ分けを図る両陣営だが、前哨戦が進むにつれ、増子の陣営には、浅川町出身の岡部と県南地方で競合するとの見方が出てきた。県議の一人は「陣営間の調整などは、安定政権を目指す与党としていつかはやらなければならないこと」と語り、過熱する票争いの中で相乗効果を出す工夫に頭を悩ませる。県連は、政権与党という「金看板」を手に入れた一方、これまで経験しなかった課題にも直面している。
菅内閣発足による支持率の回復、福島3区選出の衆院議員玄葉光一郎の初入閣への期待の「風」を追い風ととらえたい民主だが、一方で、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる社民党の連立政権離脱が戦略に影を落とす。
社民県連は平和の党としての存在感をアピールして比例代表に絞った戦いを進める方針だが、民主との共闘を模索していた選挙区の連携には波紋が広がった。県連は反自民、非共産の立場で民主と選挙協力を継続する見通しだが、具体的な決定には至っていないのが現状だ。(文中敬称略)
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