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自民、政策矛盾突く
埋没を警戒する第三極
菅内閣が発足したことで、民主党の政党支持率は「V字回復」した。民主党は国会の会期延長を拒み、「上げ潮」での選挙戦突入を狙う一方、福島選挙区に候補を擁立する自民党や第三極など野党側は選挙戦略の見直しを迫られる。
自民党県連は総裁谷垣禎一の19日の来県を参院選に向けた起爆剤として期待した。福島市の駅前通りで開いた街頭演説会。谷垣の到着を待ちながら、県連幹事長の斎藤健治は「有権者の力を借りて参院で自民党が過半数を確保し、うそつきの民主党をただす」と声を張り上げた。
福島選挙区で民主が現職と新人の2人を擁立したのに対し、自民は現職の岩城光英1人に絞った。斎藤は「50万票獲得とトップ当選は至上命令」と、岩城選対の屋台骨を支える所属県議にげきを飛ばすが、県連内部には昨年の衆院選惨敗や政党支持率の伸び悩みなどの影響を懸念する声がある。
6月県議会が開会中だが、各県議は議会終了後、急いで地元に戻り、国政報告会の段取りや後援組織のてこ入れに奔走している。ある県議は「現職といっても油断をしていると足元をすくわれる」と漏らす。選挙の最前線で活動する県議の多くは、民主の支持率回復に神経をとがらせる。
県連は、街頭演説や個人演説会で民主の政策を批判しながら支持拡大を図る方針。斎藤は「政策の矛盾を指摘しなければ結果は変わらない」と語る。
民主、自民両党がマニフェスト(政権公約)で「消費増税」を競い合う中、共産党やみんなの党は、「民主対自民」の構図に埋没してしまうことを警戒する。
共産は、選挙区に立候補予定の新人岩渕友を先頭に街頭演説で消費増税の主張をけん制、無党派層の受け皿をアピールする。県委員長の久保田仁は「菅政権は大増税を押し付けようとしている」と指摘、「一貫して増税反対を訴える共産党との対決構図が浮かび上がる」と語気を強める。
堅調に支持率を上げてきたみんなの党も存在感の維持に懸命だ。選挙区に立候補予定の新人菅本和雅と比例代表に立候補予定の新人小熊慎司は街頭演説で、民主への対決姿勢を強める。 県連代表の小熊は「まずは国会議員や官僚の定数・人員削減の実行により徹底してむだを省くことが最優先。増税議論はその後だ」と述べ、消費増税の主張を批判する。(文中敬称略)
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