県政界自民主導へ 民主退潮鮮明、立て直し急務
定数削減により分岐点となった参院選福島選挙区で、公認候補が大勝したことで自民党は来年の知事選、再来年の県議選へ向けてさらに勢いを増し、当面の県政界の主導権を握る見通しとなった。一方、民主党は前政権に対する批判の根強さを痛感、反転攻勢のきっかけをつかめなかった。
自民は昨年の衆院選に続く連勝で勢いを加速させた。衆院選では4選挙区で勝利したが比例は5万3千票の差にとどまっていた。県連は地方版政権公約を独自にまとめ、条件付きで原発再稼働を認める党方針とは別に、県内原発の全基廃炉を強調。原発政策を争点としない戦術も奏功した。
一方、民主は党勢立て直しが急務。国会議員数も自民の8人に対し3人と、さらに差が開いた。6年前の13万票差を逆転された事実を真摯(しんし)に受け止める必要がある。政権交代後の退潮傾向は止まらず、地方基盤の脆弱(ぜいじゃく)さがあらためて突き付けられた。執行部の責任を問う声も浮上しそうだ。
共産党は県内での得票を増やし、一定の理解を得た。国内原発即時廃炉などの訴えが支持を広げた。社民党は選挙区に原発被災者を擁立したが、主張の違いを明確にできなかった。
比例代表は自民、公明両党、みんなの党の本県出身3候補が当選、震災と原発事故の被災地代表として存在感を発揮した。公明は固い組織で地元の参院議員を誕生させた。同様に比例代表を重視した日本維新の会は、橋下徹共同代表の従軍慰安婦発言の影響が響いた。
(2013年7月22日 福島民友参院選ニュース)
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