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【 中 】
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逆風に加え連携不足
鍵握る衆院候補選定
「泥水をすすり、血のにじむような努力をしないと党再生はできない」。参院選の惨敗から一夜明けた22日、総括会議のため福島市の民主党県連事務所に集まった幹部らは硬い表情を崩さず、疲労感を漂わせた。
「二大政党の一翼を担う誇りと信念を持ち続けることが福島の復興再生に直結する」。県連代表の増子輝彦は会議後、党再生への意気込みを強弁してみせた。しかし、政権担当時に衆参両院で最大8人いた国会議員は3人に減り、二大政党で対抗すべき自民党に水をあけられた。国政選挙連敗で土俵際に追い込まれ、浮上の糸口さえつかめていない。
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党の立て直しへ結束を訴える増子代表(右)=22日、福島市・民主党県連事務所 |
政権を失った昨年の衆院選で唯一、小選挙区の議席を守った元外相の玄葉光一郎は選対本部長として自身の選挙よりも県内に張り付たが、牙城の福島3区でも自民候補に倍近い差を付けられ、逆風をはね返すだけの影響力を発揮できなかった。「何が良くて何が良くなかったか、強い危機感を持たなければならない」。玄葉が会議で危機意識を高めるよう迫ったのは「組織がぎくしゃくして一枚岩といえる態勢ではなかった」(県連関係者)からだ。
参院選は候補者の後援会と県連、連合福島を核に選対本部を組織。政権担当時の震災と原発事故対応などをめぐる党への批判が逆風として吹きやまない中、組織間で戦略的に連携し切れず、連合福島などに各地の票固めを頼る従来の手法だけでは通用しなかった。「逆風を受け止めるだけの選挙態勢を準備できなかった」と増子も認める。
県内組織の脆弱(ぜいじゃく)さに拍車を掛けたのは、要を担う衆院小選挙区の候補者が空席のままの問題が根深い。前任者の離党や引退で1、2、4区は暫定的な体制が続き後任擁立が党再建の鍵を握る。幹事長の宗方保は「離党と分裂が党勢をそいだ大きな要因。腰を据えて組織をつくり直す必要がある」と表情を引き締める。県連は8月にも総括会議を再度開き、候補者選定の動きを本格化させる構えだ。
県政界では知事の佐藤雄平を支える県政与党として正念場を迎える。今秋に組み替わる県議会主要ポストを自民が独占、復興政策の実行をめぐっても党の存在感が埋没し、来年の知事選に向けて求心力低下を引き起こす可能性をはらむ。
再来年は県議選が続き、衆参両院が任期満了の3年後まで国政選挙は行われないとの見方もある。県連は各地を巡り県民や各種団体と対話を重ね、支持基盤を固めることに再生の活路を見いだしたい考えだ。政調会長の宮下雅志は「3年間が生き残りを懸けた戦いになる」と焦りを募らす。県民の信頼を取り戻し、党勢を立て直せるか、大きな岐路に立つ。(文中敬称略)
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−−− 2013年7月24日付〔福島民友新聞連載掲載〕 −−−
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