「葛尾村長選」終盤の情勢 避難区域再編などで舌戦
任期満了に伴い21日に投開票が行われる葛尾村長選は18日、最終盤の戦いに入った。東京電力福島第1原発事故で全村避難が続く中、いずれも無所属で現職の松本允秀候補(74)=6期、新人で元同村議会議長の松本信弘候補(67)は、避難区域再編や、帰村までの住民支援の考えなどを中心に舌戦を展開。ともに村民の多くが避難する三春町の仮設住宅をくまなく回り、演説会などで支持拡大を図っている。
松本允秀候補は、区域再編に当たり、村民が不安視する森林除染や生活用水の安全性確保が重要と強調。三春町での復興住宅建築など、帰村までの住環境整備も訴えている。
松本信弘候補は、放射線への不安から区域再編の政府案について一部修正を主張。完璧な除染や、原発事故の損害賠償の特別法制定などを政府に求めていくと訴えている。
選挙戦は4年前の前回と同じ構図で、両陣営ともに投票率を前回とほぼ同じの90%前後と予想。12日から始まった期日前投票の出足は好調で、17日終了時で全体の35.7%の452人が投票した。両陣営とも「支持票は固めた。浮動票は少ない」とする関係者が多く、票の争奪戦は最終盤でより激しくなりそうだ。
(2012年10月19日 福島民友・県内選挙ニュース)
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